第三回 若手投資家編【前編】

座談会のために集まってくれた5人の社会人投資家たち。1銘柄に資金を集中する人や、中国株で成功を収めた人、FXで手痛い経験を味わった人など、さまざまな経験を重ねてきた参加者たちが明かしてくれた本音の教訓は、これから投資を始めるあなたに必ず役立つはず!

投資の第一歩、どうやって踏み出した?

一点買いさん:
僕は社会人11年目なんですが、2年目にリーマン・ショックがあり、その翌年から投資を始めました。最初は投資信託やETF(上場投資信託)を買い、利益が出たら売ったりしていたのですが、隣の芝生が青く見えてきたんです。

一点買いさんーー35歳男性。将来の年金不安から投資を開始するが、1社だけに集中投資する個性的な投資スタイル。ポイントサイトの活用などマネーへの意識高め。
――隣の芝生というと?

一点買いさん:
個別株です。ちょうど原油価格が安い時期だったので、エネルギーも手がける「 三井物産  ()  () 前日終値  () 始値  () 高値  () 安値  () ※株価、指数は最低20分遅れとなります。 」の株を買いました。逆張りですが、外部環境が悪いときに買えば安く仕込めるし、日本を代表する企業だから潰れることはないだろう、と。含み益は700万円近くあると思います。

――ずいぶん大きな利益ですね。

一点買いさん:
資産のほとんどを投じているので、貯金はほとんどないんです。

ヒヨコさん:
それは……普通じゃないですよね?(笑)

ヒヨコさんーー29歳女性。投資歴1年の新米投資家。低金利に不満を感じて投資への一歩を踏み出す。毎月10万円の積立のほか現物株も保有するが、座談会当日は株価下落で不安も……。

一点買いさん:
変わっていると思います。自分は「質」よりも「量」でいこうと。配当だけで年100万円以上になります。

豪ドルさん:
勝負師ですね。

豪ドルさんーー30歳男性。為替の取引を皮切りに投資信託やETF、現物株などへ手を広げ、資産は2000万円以上に。荒っぽい為替市場を通過してきたためか、場数も豊富。

チャイナさん:
でも、発想は正しいのかもしれない。私は以前、「宝くじが当たったら何をしよう」と妄想したことがあるんです。そのとき思ったのは、全力で「 東京電力ホールディングス  ()  () 前日終値  () 始値  () 高値  () 安値  () ※株価、指数は最低20分遅れとなります。 」の株を買うということ。東日本大震災が発生する前の東京電力株は安定配当銘柄でしたから、配当をもらいながら暮らせるだろう、と。だから、私からしたら、一点買いさんのやっていることはとても理にかなっている。

チャイナさんーー43歳男性。中国株が急拡大する時期にタイミングよく参入。一時は元手を10倍に増やす。金融危機により半減させるも日本株などにも着手し、資産は数千万円に。

中国株で資金10倍! からのリーマン・ショック

――チャイナさんはどんな経験を?

チャイナさん:
私は15年くらい前かな、外貨から始めたのですが、中国株をしばらくやっていました。当時、中国はまだ発展途上の勢いがすごかったのでインフラ系の企業を狙いました。配当利回りも高かったし、買った株はことごとく上がりました。

――利益はどのくらい?

チャイナさん:
100万円の元手が1000万円までいきました。ところが、欲の皮をつっぱらせたところでリーマン・ショック。1000万円が半分になり決済しました。それから日本株も手がけるようになり、「 ミクシィ  ()  () 前日終値  () 始値  () 高値  () 安値  () ※株価、指数は最低20分遅れとなります。 」株では200万円以上の利益になりました。1点集中でもっと買っておけばよかったですね(笑)。

――クールさんの投資歴もチャイナさんと同じく15年ですね。

クールさん:
投資歴だけはムダに長くて……(笑)。最初はスターバックスコーヒー(現在は上場廃止)でした。好きな株だからと数万円規模で始めました。それから投資信託や外貨預金、勤務先の持株会などへと手を広げていったのですが、仕事や留学で海外にいることも多く、放置していました。そんななか日本に帰ってきたら、毎月1万円だけ積み立てていた投資信託がすごく増えていたんです。やっぱり「運用のプロはすごいんだな」と思いました。

クールさんーー42歳女性。投資歴15年で海外経験も豊富。投資信託の積立のほか、現物株も手がける。現物株では通勤中に注文を発注するアクティブさも持ち合わせる。

豪ドルさん:
僕のスタートはFX(外国為替証拠金取引)。NISAが始まったのをきっかけにして投資信託をメインにするようになりましたが、現物株や日経平均に連動するETFも持っています。投信だけだとおもしろくないので(笑)。

――株ではどんな銘柄を?

豪ドルさん:
ソニー  ()  () 前日終値  () 始値  () 高値  () 安値  () ※株価、指数は最低20分遅れとなります。 」です。友人にソニー信者がいたこともあるし、大学では画像処理が専門だったのでソニーのイメージセンサーが強いことはわかっていました。6%ほど下げた日があり、夜間取引でもさらに下げていたので、これは反発すると思って2400円くらいで買いましたた。それが5000円を超えてきたので大当たりです。

1年前に投資を始めたばかりの新米さんも

ヒヨコさん:
私は投資を始めてからまだ1年しか経っていないんです。社会人になって旅行くらいしかお金を使わないので、だんだん貯金が増えてきて。預金しても低金利で利息がぜんぜんつかないのでNISA口座を開き、投資信託の積み立てや株を始めました。経験が浅いので皆さんから教わりたいと思っています!

――1年が経過して、感想は?

ヒヨコさん:
最初はどんどん増えていく時期だったのでよかったんですけど、そのうち下がり始めて……。銀行に勤めていた叔母に相談したら、「長く続けていたらよくあることよ。どんと構えていなさい」と言われたんですが、本当にそうなのかなって不安で。

チャイナさん:
数年に一度は必ず、1日で日経平均が1000円も下げるような急落がありますよね。

豪ドルさん:
2016年は年始からすごい下げでしたよ。毎日、月収が飛ぶぐらいで。

ヒヨコさん:
月収が飛ぶって、含み損?

豪ドルさん:
そうです。さすがに毎日、確定損で月収が飛んでいたら死んでいます(笑)。

一点買いさん:
僕も最初の頃はヒヨコさんのように含み損が気になった。でも年数を経るに連れて、「こういう日もある」と思えるようになりました。

持ち株が上がりそうと思ったときの対処は

ヒヨコさん:
株価が安いままでいるのはいいんですけど、「もっと下がるかも」と思うと不安で。マイナスになった時は、「私には株って合っていないのかな」と思ってしまうんです。

クールさん:
私にも朝・昼・晩と株価を見ては焦りを感じた時期がありました。今はもう乗り越えたというのか、「自分の手が届かないのが相場だから」と割り切っています。

豪ドルさん:
以前、豪ドルを買っていたことがありますが、25%くらいサクっと下がって、「塩漬け」(含み損のまま保有を続けて放置すること)にするか、処分するか迷いましたが、もう耐えられないと思って手放しました。時には損切りすることも必要ですよね。

一点買いさん:
逆に上がったときも、最初は「20%上がったらいいな」と思っていたのに実際に上がると「もっと上がるんじゃないか」と期待して売れないことがありますよね。

チャイナさん:
その気持ちはよくわかります。僕も某IT企業で倍々になる体験を一度味わってしまったので、つい「もっと上がれ」と期待してしまう。

クールさん:
私は朝の通勤電車で株価を見て、「もっと上がりそう」と思ったら決済の指値を出しておきます。指値した値段からもっと上がることもあるけれど、それはしょうがない。好きな会社なら、また買うだけです。実は今朝も「 ニトリホールディングス  ()  () 前日終値  () 始値  () 高値  () 安値  () ※株価、指数は最低20分遅れとなります。 」の株を買い直したばかりなんです。

<まとめ>
・投資を始めた頃は含み損が気になったが、確定損でなければ問題ナシ
・「自分の手が届かないのが相場」と割り切ると気持ちがラクに
・時には損切りすることも必要である
・会社勤めなので、株価は朝の通勤電車内でチェックしている

今回のテーマで取り上げた上場企業

三井物産
東京電力ホールディングス
ミクシィ
ソニー
ニトリホールディングス