第三回 若手社会人編【後編】

仕事と投資をうまく両立させている4人の投資家と、1年前に投資を始めたばかりの新米投資家。新米さんには不安があるようです。彼女が感じている不安は、これから投資を始める人もおそらく味わうであろうもの。4人の先輩投資家から新米さんへのアドバイスにぜひ耳を傾けてみて!
第三回 若手投資家編【前編】を読む

「投資の勉強代っていくら?」

ヒヨコさん:
私は最初、本を読んだりインターネットで検索して勉強したんです。すると成功例はたくさん書いてあるんですが、失敗例はあまり書いていないですよね。

ヒヨコさんーー29歳女性。投資歴1年の新米投資家。低金利に不満を感じて投資への一歩を踏み出す。毎月10万円の積立のほか現物株も保有するが、座談会当日は株価下落で不安も……。

豪ドルさん:
たしかに失敗例はあまり見ないですね。

豪ドルさんーー30歳男性。為替の取引を皮切りに投資信託やETF、現物株などへ手を広げ、資産は2000万円以上に。荒っぽい為替市場を通過してきたためか、場数も豊富。

ヒヨコさん:
だから「リスクって何?」って感じで、まだピンと来ていないままなんです。「初心者は損が出たら勉強代だと考えましょう」って言われますけど、勉強代っていくらなんだろう? 今、持っている株がマイナス6%になっているんですが、それが大きいのか小さいのかもわからない。

一点買いさん:
僕の持ち株はイギリスがEU離脱を決めて世界的に株式市場が急落したとき、マイナス30%くらいになりました。でも、そのときは買い増しのチャンスだと思って追加購入しています。

一点買いさんーー35歳男性。将来の年金不安から投資を開始するが、1社だけに集中投資する個性的な投資スタイル。ポイントサイトの活用などマネーへの意識高め。

ヒヨコさん:
それは、その会社の将来性を信じていたから?

一点買いさん:
当時は配当利回りが4%くらいあったんです。もしマイナス40%になっても、10年寝かせて4%の配当をもらっていればカバーできる――そう考えたら怖くなくなりました。「下がったらまた買い増せばいい」と思っていれば、下がっても別にそんなにヘコまない。また買ったれ! と。その後はボーナスの時期に自分の買い値よりも低ければ買い増すようにしています。「自分の買い値よりも高ければ買い足さない」というのが自分のルールです。

好きな会社なら一喜一憂せずに持っていられる

チャイナさん:
配当が安定した会社だと、そうやってドンと構えていられますよね。

チャイナさんーー43歳男性。中国株が急拡大する時期にタイミングよく参入。一時は元手を10倍に増やす。金融危機により半減させるも日本株などにも着手し、資産は数千万円に。

一点買いさん:
本来、投資で塩漬けは禁物なのかもしれないですが、高配当銘柄ならばある程度の塩漬けはアリかなと思います。

ヒヨコさん:
配当をまだ経験してないので、下がったのは単純なマイナスとしか思えず、「ヒエーっ!」ってなっちゃう。持ち株の状況を1日1回は見なさいと言われてるので見るんですけど、ハラハラするんで嫌々見ています(笑)。

――どんな銘柄を買ったんですか?

ヒヨコさん:
製薬メーカーの「 中外製薬  ()  () 前日終値  () 始値  () 高値  () 安値  () ※株価、指数は最低20分遅れとなります。 」です。2、3年は勉強期間だと思って100株だけ買いました。あとはAI関係や、化粧品メーカーの「 ファンケル  ()  () 前日終値  () 始値  () 高値  () 安値  () ※株価、指数は最低20分遅れとなります。 」。好きな会社を買った方がいいよと言われたこともあるし、株価が落ちこんでも愛せる会社がいい、と。

クールさん:
好きな会社だとマイナスになっても持っていられますよね。私、ゲームはしないんですが、「 任天堂  ()  () 前日終値  () 始値  () 高値  () 安値  () ※株価、指数は最低20分遅れとなります。 」が好きなのでずっと持っています。任天堂の株価は振れ幅が大きくて、大きくプラスになる時期もあれば、マイナス50%以上になったこともあります。でも、好きな会社だからそのままにしておきました。

クールさんーー42歳女性。投資歴15年で海外経験も豊富。投資信託の積立のほか、現物株も手がける。現物株では通勤中に注文を発注するアクティブさも持ち合わせる。

株主総会で会社のことをもっと知る

豪ドルさん:
むしろ、何かあったら株主総会に乗りこんで意見を言うくらいの気持ちでもいいですよね。

ヒヨコさん:
そんな勇気、ない(笑)。

クールさん:
でも、好きな会社だと株主総会も楽しいですよ。

ヒヨコさん:
皆さん、行ったことがあるんですね。株主総会ってどんなことをするんですか?

豪ドルさん:
基本的には経営状況の説明と、質疑応答ですよね。

クールさん:
新製品や技術のデモンストレーション展示を行なう会社もありますよ。

一点買いさん:
飲み物が出たり、お土産がもらえる会社も。

チャイナさん:
私の勤務先は上場企業なので、株主総会のお手伝いをしたことがあります。株主に粗品を渡すお手伝いでしたが、「家族の分も」とひとりで5個持って帰った人もいました(笑)。

ヒヨコさん:
ファンケルは私、ずっと使っているので株主総会に行ってみたいです。住所を教えていないんですけど、案内って届くんですか?

チャイナさん:
証券会社に株を預けているので、株式等振替制度を使って自動的に招集通知が送られてくるから、大丈夫ですよ!

資産が増えても生活は変わらない、変えない

――皆さんの今後の目標は?

豪ドルさん:
不労所得。働かずに悠々自適で暮らしたいですね。

一点買いさん:
不労所得で暮らすのは理想ですが、まだ難しい。当面の目標は資産1億円です。資産は数千万円になりましたが、普段の生活は全然別の話。庶民感覚は変わりません。

ヒヨコさん:
雨が止んだら傘はそのまま置いて帰ったりしないんですか?(笑)

一点買いさん:
絶対ない。ポイントサイトを利用したり、クレジットカードのポイントを貯めたり、小銭稼ぎを続けていますから。

豪ドルさん:
スーパーの特売もよく利用しますし。

チャイナさん:
僕も目標はとりあえず1億円ですね。仕事が第一だし、リタイアするころには、ある程度の資産が築けていたらいいなと思っています。まだまだ先は長いです。

クールさん:
目標はないです。「目標・何千万円」とか考えると、ちゃんとやらないといけなくなっちゃうから。余裕ができたら足していくスタイルが向いていると思う。

ヒヨコさん:
私は仕事も楽しいから辞める気はないし、旅行へ行ければいいなという感じです。

大切なのは10年後にどうなっているか

――これから株を始める人へアドバイスはありますか?

一点買いさん:
僕が加入している企業年金の予定利率は当初、2.5%と説明されていたのですが、「達成が難しい」と下げられてしまった。僕はそこで投資を続ける覚悟を決めました。将来の生活を考えると、自分自身で「投資の土俵」に上がらざるを得ない時代ですよね。

豪ドルさん:
預金で安心していると、物価が上がったときに資産が実質的に目減りしてしまうリスクだってありますもんね。

一点買いさん:
長期で考えて投資すれば、年2.5%や3%の運用は決して難しくないはず。

ヒヨコさん:
でも私は今、マイナス6%なんですけど……。

一点買いさん:
”今”は、ですよね。大切なのは10年後にどうなっているか、です。

チャイナさん:
ゆっくりと少しずつ始めればいいですよ。自分も最初は外貨や投資信託の積立から始めて、中国株や日本株に手を広げていきました。

豪ドルさん:
今は月1000円でも投資信託の積立ができますよね。「●●ショック」のような話題を目にすると投資に怖さを感じるかもしれないですが、ニュースは悪い話題を取り上げがち。そうしたニュースに動じないことも大切です。

クールさん:
最初は失敗もあると思いますが、続けているとだんだんと自分の性格にあった商品ややり方がわかってきます。皆さん、失敗を乗り越えてここに至っていると思うので、逆に言えば一度の失敗で立ち直れなくなるようなリスクは取らないでほしい。

ヒヨコさん:
最初は調子よく資産が増えて、それが最近は不調で不安だったんですが、皆さんのお話を聞いて落ち着いてきました。長くやっていればいい時期もあるし、悪い時期もあるんですよね。今日は株価がドンと下がったので憂鬱な週末になりそうだったんですが、皆さんの話しを聞いたらよく寝れそうです(笑)。

<まとめ>
・たとえ株価が落ちこんでも愛せるような企業を選ぼう
・好きな会社ならば株主総会に参加するのも楽しい
・資産数千万円になっても、生活は変わらない。ポイントサイトやスーパーの特売も愛用
・一度の失敗で立ち直れなくなるようなリスクは取らないこと!
前編・後編で取り上げた上場企業

三井物産
東京電力ホールディングス
ミクシィ
ソニー
ニトリホールディングス
中外製薬
ファンケル
任天堂