「思惑材料株」への集中投資で資産100倍以上!〜アディさんインタビュー【後編】

  • リアル投資家列伝・新進の億り人に聞く、資産100倍増への道 / アディ

2013年に株式投資を始め、2018年に資産1億円超を達成。専業投資家へと転身した個人投資家・アディさん。兼業投資家時代の2014年、エンジニア職であることから、ある会社が開発した新技術のスゴさを確信します。全財産である100万円を元手に「思惑材料株」へ全力で投資を挑んだ、大勝負の行方はーー。
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3000万円まで資産が拡大、しかし天狗になり……

「『 日本マイクロニクス  ()  () 前日終値  () 始値  () 高値  () 安値  () ※株価、指数は最低20分遅れとなります。 』は、自分が買った値段から10倍を達成し、テンバガー(10倍株)に。一時は3000万円まで資産が拡大しました。でもポジションを引っ張りすぎて……」

資産が3000万円まで膨らんだのは束の間、結局アディさんの手元に残ったのは700万円にとどまる。

「今にして思えばかなり天狗になっていたようです。株価の上昇がピークアウトしたのにナンピン買いを入れ続けて……最終的にはほとんどの保有株を投げ出し、含み益は幻なのだと痛感しました」

実践から学ぶのを信念とするアディさんは、この経験からも大きな教訓を得る。

「あれがバブルだったことを、ほとんど全て切ってから腹の底から認めることができました。つまり自分は天才でもなんでもなく、バブルに乗れただけのただのラッキーマンだったんです。3000万円を700万円まで減らしたのは大きな失敗でしたが、たった1年でバブルを全身で体感できたことは大きな財産となりました。この経験はその後の売買にも活かされています」

勉強時間確保のため、マイカーから電車通勤に

投資を始めて2年目以降も、アディさんがターゲットとしたのは「思惑材料株」だった。

「『思惑』として市場が反応するのは、『新開発、新素材、世界初、世界で使われるアプリ』など、投資家が期待を大きく膨らませやすいキーワードが入っているニュースです。そこで『これはイケる!』と思ったら突撃します。株価が多少弱含んでも買い下がっていきますよ」

そんな猛進タイプのアディさんだが、経験を積んでいく中で、変化した点がある。

「一度に投入する資金を計算するようになりました。『これぞ!』という銘柄だけに照準を定め、命中率を上げていく。そのうえで、確信したら突撃して買い下がる胆力を養っていくようにしました」

しかし、意に反してこの年の成績は安定せず、資産は500万~1500万円の間で乱高下を繰り返す。2015年に入ってからも模索は続き、資産は1200万〜1500万円付近で一進一退した。

「もっと勉強しなければいけない! と、この時点で改めて感じたんです。でも、当時は会社勤めしていたので勉強に費やせる時間は限られる。そこで、それまでマイカー通勤していたんですが、電車通勤することにしました」

財務分析やテクニカル分析、国際情勢や企業動向などについてより深く勉強するために、片道40分で済んでいたマイカー通勤をやめ、90分かかる電車通勤に。通勤時間のすべてを勉強に充てる生活に切り替えた。

ブログで取り上げる銘柄を徹底的にリサーチ

財務分析についてはじめて勉強を取り組み出したアディさんは、ある発見に至る。

「財務がそれなりにわかるようになった頃のことです。業績が好調で資産価値の高い企業が、画期的な技術を持っている場合、株価の下値は堅いが、上に大きく跳ねやすいという特性に気がつきました」

この発見以降は、こうした特性を持つ企業に狙いを絞って「集中投資」することにしたアディさん。このため、少しでも不明点があれば、すぐに企業のIR担当者に電話で問い合わせるようになった。また、会社説明会や株主総会などにも有休を取って出席する、足を運んでのリサーチも重ねた。

しかし、ここまで銘柄分析に力を注いだのにはもう1つ理由がある。自分の注目する銘柄についてブログで発信するようになったのだ。

「投資ブログへの誘いがありまして、これも経験だとチャレンジしてみることにしました! しかし、いざ書こうとしても、自分が買う時の根拠では不十分で書けませんでした。結果、掲載する記事は3倍以上深く調べることとなり、1銘柄50時間以上はかかりました。今でも投資ブログへの執筆はしています」

このように銘柄に向き合った結果、アディさんの投資成績は大幅に向上する。また、アディさんは人に話すこと、書き示すこと、教えることがなによりの勉強であり、気づきの源泉なのだという。教えてほしいと声をかけられる時が、最もありがたい学びのチャンスであり、自分が本当に理解できているのかを試せる良い機会との考えを持っている。

1年で資産が8倍超へ。念願の専業投資家に!

ブログで発信することを念頭に分析を重ねた結果、アディさんが照準を定めた銘柄はことごとく上昇気流を駈け上がる。電子機器用コネクターのメッキ加工を手掛ける「 山王  ()  () 前日終値  () 始値  () 高値  () 安値  () ※株価、指数は最低20分遅れとなります。 」で4倍。驚異的な増収増益を遂げた不動産事業の「 LCホールディングス  ()  () 前日終値  () 始値  () 高値  () 安値  () ※株価、指数は最低20分遅れとなります。 」で3倍、超低熱膨張合金を手掛ける「 新報国製鉄  ()  () 前日終値  () 始値  () 高値  () 安値  () ※株価、指数は最低20分遅れとなります。 」で2倍。他にも「 東北特殊鋼  ()  () 前日終値  () 始値  () 高値  () 安値  () ※株価、指数は最低20分遅れとなります。 」「 テノックス  ()  () 前日終値  () 始値  () 高値  () 安値  () ※株価、指数は最低20分遅れとなります。 」「 特殊電極  ()  () 前日終値  () 始値  () 高値  () 安値  () ※株価、指数は最低20分遅れとなります。 」で1.5倍といった具合だ。

この結果、アディさんの資産は1年間で8倍以上に膨らむ。信用取引でレバレッジを効かせていたことも奏功したが、財務分析に基づいたダウンサイドが少ない思惑材料株への「集中投資」。そしてブログで伝えることを意識して徹底リサーチを己に課した「アディ流投資」を確立させたことが何よりの勝因だろう。

「子どもが生まれてからは育児休業を取得し、かりそめの専業投資家としてトレードを行っていました。復帰まであと3ヵ月というタイミングで、会社を辞めることを妻に相談しました。実は、もともと資産が1.5億円まで増えたら専業になろうと思っていたんです。でもそれにはまだ3000~4000万円程度及ばなかった。でも、妻は一度きりの人生だからとワガママを許してくれました。家族でずっといっしょにいられるし、ゲーム好きの妻と2人でゲームする時間も確保できてーー快適です」

億超えの後はレバレッジを効かせず、中長期の投資で

専業投資家になったアディさん。いったん資産を1000万円程度減らしたものの、その後は着実に取り戻している。ただし、それまでと比べればピッチは緩やかで、資金の投じ方について大きく方針転換を図ったという。

「資産が億を超えた今は、もはや極端なレバレッジを掛ける必要もなくなりました。あくまで資産内での金額投入にとどめたうえで、中期、長期の投資をメインとしつつ、多少は従来通りの短期売買投資も続けています。今後は年20〜30%のペースで、着実に増やしていこうと思っています」

億に到達するまでの道のりでは、「30%の下落余地があるものの、株価が数ヵ月〜1年で2倍になる可能性のある銘柄」を追いかけていたアディさん。今でも、そういった銘柄はゴロゴロ転がっているそうだ。しかし、今はビジネスモデルをしっかりと見極め、「2〜3年で50〜100%の上昇が見込まれる投資適格銘柄」を精査しているという。

「前職がエンジニアだったので、どうしても技術系の会社を好みがちです。その一方で、知らない世界を知ることが楽しいので、機会がある度に新しい業種や業態の企業を調べています。会計面の知識は今でもちょっと弱いので勉強中ですね。気になることへの集中力はある方なので、楽しんで取り組んでいます」

「ほとんど運と気合いだけで切り抜けてきた人生」と謙遜するアディさん。しかし、置かれた場所で懸命に探求を続け、それが後々の語り草になる生き様は前編よりお伝えしてきた通り。今日も「多くの人が気づいていないけれどもスゴイ技術」を持つ企業との出合いを求め、IRフェアへ。そして、気になるニュースがあれば企業IRへ電話確認ーー好奇心旺盛な新進気鋭の億り人・アディさんの成長は、とどまるところを知らない。

本記事は、取り上げた企業への投資を推奨するものではありません。原則として原稿作成時点における情報に基づいて作成しております。また、記載された価格、数値等は、過去の実績値、概算値あるいは将来の予測値であり、実際とは異なる場合があります。投資に関する最終決定はお客様ご自身の判断でなさるようお願いいたします。