第四回 10年投資家編【後編】

キャリア10年ともなると、成功も失敗も積み重ね、自分なりの「投資哲学」が確立されてくるころ。それでいて、まだ初心者のころの気持ちも鮮やかに残っているので、彼らの話は、これから株を始める人だけでなく、一歩を踏み出したばかりの人にも響くところがある。身近な先輩のリアルな体験談、ぜひ参考に!
第四回 10年投資家編【前編】を読む

「それ持ってる!」とみんなが口を揃えた銘柄とは

ーー皆さんの思い出の銘柄は?

株馬さん:
安定しているなと感じるのはJ-REIT(不動産投資信託)ですね。リーマン・ショックで暴落した時期に買えたので、これまでにもらった配当はすでに投資元本を超えました。

株馬さん――37歳男性。投資歴10年強。FXから投資を始めるがリーマン・ショックで大ヤラレ。研究を重ねて自分なりの売買ルールを確立する。株では株主優待銘柄が中心。

ファッショニスタさん:
安定しているものだとJR系でしょうか。以前、関西で事故があったときに買いました。不謹慎かもしれないですが、「事故は買い」だなと思いました。大企業は不祥事などがあっても8、9割戻るイメージです。

ファッショニスタさん――45歳男性。教育産業で講師を務める。不祥事などで急落した銘柄も臆せず買っていく積極的なスタイル。生活面では一点豪華主義で積極的に消費する。

90銘柄さん:
思い出に残っているのは「 日本マクドナルドホールディングス  ()  () 前日終値  () 始値  () 高値  () 安値  () ※株価、指数は最低20分遅れとなります。 」ですね。15年ほど前、投資を始めてすぐの20歳のころに買った銘柄でした。90万円ほどを投じて500株買った記憶があります。それからずっと持っていて、株価は2倍以上になっていますし、異物混入が話題になったときも、優待があるおかげか、株価は思いのほか底堅かった。それに株主優待が年2回、もらえます。

90銘柄さん――37歳男性。20歳から始めた投資のキャリアは18年。株主優待銘柄を中心に90銘柄を保有。これまでに株で稼いだ利益は800万円を超える。

優待ご飯さん:
私も最初に買ったのはマクドナルドでした。大部分は売ってしまいましたが、今も優待目当てに100株だけ残しています。

優待ご飯さん――31歳男性。投資歴10年弱。都内勤務の会社員。株主優待やふるさと納税をフル活用し、飲み代以外の出費は月2000円ほど。節約生活で築いた資産は4000万円。

ベイスターさん:
皆さん、ハンバーガー派なんですね。私が最初に買ったのは「 吉野家HD  ()  () 前日終値  () 始値  () 高値  () 安値  () ※株価、指数は最低20分遅れとなります。 」でした。

ベイスターさん――31歳男性。製造業で経理職に従事する。短期で売買することもあるが基本は長期保有。アベノミクス株高の波に乗り、250万円の利益をあげる。

優待ご飯さん・90銘柄さん・株馬さん:
(口を揃えて)私も持っています!

ファッショニスタさん:
じつは私も最近まで持っていました。

ベイスターさん:
身近な企業ですし、20万円弱で買える(2018年9月現在)ので手頃ですよね。思い出という意味では「 ディー・エヌ・エー  ()  () 前日終値  () 始値  () 高値  () 安値  () ※株価、指数は最低20分遅れとなります。 」。吉野家の次に買った銘柄で、2倍で売れた。初心者時代は銘柄選びが難しかったので、「横浜ベイスターズが好きだから」と親会社を買ってみたらビギナーズラックで儲かってしまった(笑)。

桐谷さんバリの月2000円生活!

株馬さん:
私も株主優待銘柄がメイン。使える路線の鉄道系も持っていますし、吉野家のほか、「 松屋フーズ  ()  () 前日終値  () 始値  () 高値  () 安値  () ※株価、指数は最低20分遅れとなります。 」も。

優待ご飯さん:
好きなものをカタログから選べる株主優待もいいですね。「 コカ・コーラ ボトラーズジャパンHD  ()  () 前日終値  () 始値  () 高値  () 安値  () ※株価、指数は最低20分遅れとなります。 」はポイント制でカタログから好きな品物を選べます。あとは「 オリックス  ()  () 前日終値  () 始値  () 高値  () 安値  () ※株価、指数は最低20分遅れとなります。 」や「 NSD  ()  () 前日終値  () 始値  () 高値  () 安値  () ※株価、指数は最低20分遅れとなります。 」、「 ヒューリック  ()  () 前日終値  () 始値  () 高値  () 安値  () ※株価、指数は最低20分遅れとなります。 」も――。

90銘柄さん:
大和証券グループ本社  ()  () 前日終値  () 始値  () 高値  () 安値  () ※株価、指数は最低20分遅れとなります。 」もカタログギフトですね。

優待ご飯さん:
私はひとり暮らしなのでカタログギフトだと選ぶのはだいたい食べ物。節約した食費を投資に回しています。

ファッショニスタさん:
食品でいうと、ふるさと納税にもいいものがありますね。

優待ご飯さん:
お米はふるさと納税でまかなっています。飲み代を除けば、月の生活費は2000円程度。「 イオン  ()  () 前日終値  () 始値  () 高値  () 安値  () ※株価、指数は最低20分遅れとなります。 」でもらったギフトカードで野菜を買って、ふるさと納税でもらったお米、お肉で昼食用に弁当を作っています。

ファッショニスタさん:
職場が都心だとランチ代も高いですからね。

利益の一部は一点豪華主義で消費に回す

90銘柄さん:
吉野家やマクドナルド、それに優待でもらったQUOカードがあれば暮らせますよね。ただ、節約して投資に回すというのもいいのですが、そればかりだと変な方向に向かってしまう。「稼いだら使う」というのも豊かな生き方ですよね。

ファッショニスタさん:
楽しむことも大切だと思います。私は友人を東日本大震災で亡くしました。自分もいつ死ぬかわからない。だから節約もしますが、一点豪華主義で使うときにはめちゃくちゃ使います。服にはお金をかけていますし、バッグはヴィトン。ソファもこだわって数十万円のものを買いました。ホテルの最上階のバーに行くこともありますし、カウンターの寿司屋にも行く。100万円儲かったら20万、30万円くらいは使いますね。

ベイスターさん:
ひとり暮らしだと、あまりたくさんの食品をもらってしまうと腐らせてしまうだけだから、金券類も好きです。使い切れなければ換金することもできますし。

ファッショニスタさん:
ふるさと納税で先日、蟹をもらったとき、ひとりでは食べきれないので「蟹参上!」と友人に連絡し、蟹パーティを開きました。友人たちも各々ふるさと納税でもらったワインなどを持ち寄ってくれたのでウィン-ウィン(笑)。

ベイスターさん:
意外と知られていないのが、イオンのラウンジ。株主優待カードがあると一部の店舗内にあるラウンジを利用できるので、勉強したり読書したいときに使っています。

最初の資金はみんな50万円程度だった

――投資初心者にアドバイスするとしたら?

優待ご飯さん:
アドバイスとしては「儲けようとしない」ということですね。「貯金するよりも有利だったら勝ち」くらいの意識で、配当や株主優待を中心に長期的な視点で続けてみてください。大きく儲けようとすると、リスクも高まるため大きく減らしやすい。「貯金よりもマシ」くらいの意識で投資すると、気がつけば2倍、3倍になっていることもありますから。

ファッショニスタさん:
「儲かったらラッキー」くらいの気持ちで始めたほうが、利益がついてくる可能性は高いですよね。

株馬さん:
入り口として入りやすいのは株主優待ですよね。20万円くらいの少額でも買える銘柄があるので、最初の一歩を踏み出すのにいいと思います。

ファッショニスタさん:
優待をもらえると、それだけで儲かった気分になりますよね。あとは普段使っている身近な製品、サービスの会社もいい。飲食系や小売、電鉄、電力やガスなどでしょうか。値動きが比較的安定している銘柄が多いですから。

株馬さん:
「銘柄が多すぎて選べない」という人は、まずテーマを絞ってみては。株主優待、AI、高配当といったようにテーマを定めると銘柄が一気に絞られます。

ベイスターさん:
今はNISAのような節税できる有利な口座もあります。まずは一歩、踏み出すことが大切ですよね。私も50万円くらいで小さく始めましたから。

優待ご飯さん:
私も最初は50万円程度でしたね。

ファッショニスタさん:
「分散投資したい」というなら100万円あれば30万円の銘柄を3つ買えます。

「投資しながら勉強」でも大丈夫!

90銘柄さん:
株をやらない人に聞くと、「勉強しないといけないから、まだやらない」と躊躇している人が多いように思います。もちろん最低限の勉強は必要ですが、詳しい人が株で儲けているかといえば、必ずしもそうではない。まずは始めてみること。勉強は投資しながらでもいいんです。自分なりのスタイルや価値観を持ってブレずに続けていれば、いつか軌道に乗って儲かると思います。

――将来の目標は?

優待ご飯さん:
まだ資産4000万円程度なので夢のまた夢ですが、億の大台に達してみたいですね。

ファッショニスタさん:
マンションを買えるくらいに稼ぎたい。イメージは都心30キロ以内の東京圏、築10年以下で3000万円台くらいのマンションです。

株馬さん:
同感です。マンションを一括で買えるくらいには稼ぎたいですね。

90銘柄さん:
金額はあまり考えていないですが、1年で150万円くらいの配当を受け取れるところまではいきたいなという思いがあります。配当利回り3%の銘柄が5000万円分あれば達成できる計算ですが、でも意識すると下がったときにつらいので、金額は考えない。「株主優待でQUOカードを100枚もらう!」とか、別の楽しみを見つけたいですね(笑)。

ベイスターさん:
私も同じ考え方で、5000万円あれば3%の配当利回りで年150万円もらえる。月10万円あれば最低限の生活は送れますから、気持ち的に楽になる。そこを目指しています。

<まとめ>
・優待とふるさと納税を駆使すれば、食費2000円/月も夢じゃない
・節約だけではなく、時には贅沢に消費することも大切!
・「貯金よりもマシ」くらいの意識で始めると長く続けられる
・投資初心者は株主優待目当てで始めると楽しめそう
・完璧に勉強して始めるのではなく、投資しながら勉強すれば良い

今回のテーマで取り上げた上場企業

日本マクドナルドHD
吉野家HD
ディー・エヌ・エー
松屋フーズ
コカ・コーラ ボトラーズジャパンHD
オリックス
NSD
ヒューリック
大和証券グループ本社
イオン

本記事は、取り上げた企業への投資を推奨するものではありません。原則として原稿作成時点における情報に基づいて作成しております。また、記載された価格、数値等は、過去の実績値、概算値あるいは将来の予測値であり、実際とは異なる場合があります。投資に関する最終決定はお客様ご自身の判断でなさるようお願いいたします。