会社に違和感を覚え、投資をスタート! 約7年で元手数十万円を5億円に〜響煇嚆矢さんインタビュー【前編】

  • リアル投資家列伝・「世の中の流れ」に着目し資産5億円 / 響煇 嚆矢

今回お話を聞かせてくれたのは、メディア初登場の響煇嚆矢(ひびき・こうし)さん。
響煇さんは、サラリーマン時代の2012年に数十万円を元手に完全独学で株式投資をスタートし、2018年には運用資産5億円を達成(追加入金含む)。現在は専業投資家として運用を続けています。響煇さんの株式投資に対するストイックな姿勢を支えてきたのは、ある意外な存在でーー?

メディア初取材の媒体として、フロッギーを選んでくれた謝意を伝えたところ「でも、いますぐ役立つような具体的なお話をできるかわかりませんよ」と、ニヒルに微笑む響煇さん。

努力をした結果、利益を生み出したい

響煇さんは、相場全体としては大きく下落する局面もあった2018年において、年初来パフォーマンスが+59.44%(9月末時点)と、順調に資産を増やし続けている。投資を始めるきっかけとなったのは、属していた会社で覚えた”違和感”から脱するためであった。

「会社員時代は給料が全く増えませんでした。このままでは老後のための貯蓄ができず、深刻な晩年を迎えそうだと不安で。それに、会社の利益に直結するような仕事を自分ができていないのでは? と感じていて……」

勤めていたのはIT企業。巨大な組織内での事業部署間の対立や役員の好き嫌い、そして社員同士の自己防衛行動などといった、仕事以外のことが渦巻く環境にも響煇さんはウンザリしていた。

「企業としての純粋な経済活動よりも、人間関係のほうが優先されていることに違和感がありました。この場所は自分が成長できる環境ではない、と。とにかく、シンプルに正しい行動を取りたかった」

一生懸命努力した結果、会社へ利益をもたらしたい。また自分も成長でき、収入も増えてほしい。しかし、仕事ではこうした思いを遂げられないのではーーこう感じた響煇さんが選んだのが、株式投資であった。

毎日、数時間かけて日経新聞を精読

もともと理系出身で、経済の知識は皆無だったという響煇さんは、株式投資を始めるにあたって入念に準備を進めていく。

「当初は、長期金利が何年ものの国債利回りのことを指しているのかも知らないというレベルでした。だから、日経新聞の朝刊・夕刊に出ているすべての記事を毎日数時間かけて読み込むことから始めました。仕事を終え、帰宅してから勉強に取りかかるので、睡眠時間を削っていました。あの頃はずっと睡眠不足で、眠かった」

毎朝9時に出社し、帰宅後に数時間かけて日経新聞を精読。すると残された睡眠時間はわずかで、挫けても仕方がないハードさだ。しかし、そんな生活を響煇さんがやり通せたのには、理由がある。孤軍奮闘する響煇さんの気持ちを掻き立たせた陰には、あるアイドルの存在があった。

頑張り続けるももクロに恥ずかしくない自分でいたい

「あの頃の僕を支えてくれたのは、『ももいろクローバーZ』のDVDやYouTube動画です」

響煇さんによると、ももクロは当時のアイドルとしては珍しく、恋愛の楽曲がほとんどなく「弱い自分を超えて挑戦する」内容の歌詞が多かったそう。

「深夜、情報収集や企業分析の課題をしていると、課題が終わる前に眠気で意識が飛ぶことがありました。当初は投資で全く勝てなかったので、負けて資産が減るプレッシャーも相当ある中での課題をこなす努力でした。何度、やめてしまおうかと思ったかわかりません。そんな時、ももクロの歌詞に励まされました」

会社組織の不条理さを嘆き、見切りをつけた、”孤高の武士”の風格を漂わせる響煇さんだが、ももクロの話になると、表情がほころぶ。

「当時、知名度が低かったももクロが、短期間にライブ会場の規模が数倍になりトップアイドルへ駆け上がって行く姿が眩しく、うらやましかった。こうした状況下で、僕の資産も増え始めました。自分も、ももクロのようにチャンスをつかめるかもしれないと感じて、努力を続けられました。ももクロと出会えてなかったら、挫折していたかもしれません」

「僕は、『才能×努力の大きさ』で結果が決まると思っています。例えば、才能が5の人間が、5の努力を実行すれば25の結果が出ます。ですから、才能のない僕が結果を出すには、多くの努力が必要でした。だから、頑張り続けるももクロに恥ずかしくない自分でいようと決めました」

響煇さんは、「継続的に成功する人は、全体のごくわずか」と言い切る。そして、その中に入るために、努力を重ね続けることを自分に課している。本当に結果が出るかわからない中で「いつか結果が出る」と信じ、努力し続けることはつらい。

「自分の努力がいい結果につながるか、疑心暗鬼になったり、不安になることもありました。それでも努力を続ける。そんな時は『自分の行動は明るい未来につながっているのか?』『自分の努力は正しいか?』と自問自答しながら、メンタルをコントロールしました」

「仮説⇒実験⇒検証」のためプログラミングも独習

ももクロを励みに猛勉強を耐え抜いて、基礎知識を身につけた響煇さん。理系出身でIT企業在職であったことから、実際に投資を始めてからも「仮説⇒実験⇒検証」というプロセスを繰り返した。

「帰宅後、1~2時間にわたってその日に犯した間違いについて検証しました。間違いを認めないといけないのはつらかったですね。しかし、ちゃんと検証すれば、次の投資では『儲かった!』とか、『損から利益に転じた!』といったうれしい瞬間が訪れます。この瞬間が、自分を成長させるのです」

「仮説⇒実験⇒検証」を繰り返すにはプログラミングが不可欠だと思い至った響煇さん。かつて日経新聞を数時間かけて精読した時と同じように、またもやイチから独学でプログラミングを習得してしまう。

「効率的にデータを収集・整理するためには、自分でプログラムを組むことが必要だと感じたからです。データを徹底活用することは、世の中の動きを把握するうえで重要ですから」

こうして、気がつけば2016年、資産は1億円(含み益を含む)に到達していた。

彼が着実に資産を増やすことができたのは、ひたむきに努力し続けた賜物だ。

「これでお金に困ることはないだろう」と思えた響煇さんは、2017年、会社を辞め専業投資家に転身する。

後編では、彼の投資手法の核心に迫ります!