会社に違和感を覚え、投資をスタート! 約7年で元手数十万円を5億円に〜響煇嚆矢さんインタビュー【後編】

  • リアル投資家列伝・「世の中の流れ」に着目し資産5億円 / 響煇 嚆矢

会社への違和感から株式投資に活路を求め、投資家デビューした響煇嚆矢(ひびき・こうし)さん。「才能×努力の大きさ」が結果をもたらすと信じ、勉強のためならば睡眠時間がわずかな日々も『ももクロ』に励まされ、乗り越えてきました。そんな響煇さんにはもう1人、大きな影響を与えてくれた人物がいます。
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「自分の能力」+「世の中の流れ」で成功をつかめ!

睡眠時間を削って勉強を続ける日々を送っていた響煇さん。メンタルを支えてくれたのは、ももいろクローバーZであった。そしてもう1人、響煇さんに大きな影響を与えた著名人がいる。

「株式投資で成功できたのは、その人物の教えがあったからです」

こう言って紹介してくれたのは、島田紳助著『自己プロデュース力』(ヨシモトブックス)だ。響煇さんが特に注目したのが、「才能×努力」から成る自分の能力(X)と、世の中の流れ(Y)を統合し、成功し続けるという「X+Yの法則」である。

「投資で勝負する際にも、この考え方が大事だと感じました。今の自分があるのは、『X+Yの法則』に基づいて投資を続けてきたからです」

「X+Yの法則」をどのように投資に活かしたのか?

「僕たち投資家は、景気や流行など、自分ではコントロールできない環境(Y)に大きく左右されます。そんななかで、自分が努力すれば変えることが可能な自分の能力(X)を研ぎ澄ませ、高めておく。自分の能力(X)でデータ分析し、環境(Y)を理解して勝負の設計をする。設計した勝負は自分を信じて冷静に実行するだけです」

率直に言えば、響煇さんの説明は具体性に欠ける。だが、取材の開口一番、彼がフロッギー編集部に前置きしていたように、それは意図的なものであった。

元手数十万円を5億円に増やした手法を手取り足取り解説したとする。しかし、たとえそれで儲かったとしても、マネしただけで本質を理解していなければ、結果として読んでくれた人のためにならない。
自分の能力(X)を磨き、世の中の流れ(Y)を読む力がなければ、変動の激しい株式市場に結局は飲み込まれてしまう。

しかも、世の中の流れを察知すると言っても特別なことは何一つない。

「情報源(Y)は一般的な個人投資家とまったく同じですよ『株探』で紹介されたIRリリースやニュースをチェックし、自分のデータベースに入力しています。また、テレビ東京系の『Newsモーニングサテライト』や『ワールドビジネスサテライト』、『今日の株式 明日の株式』は、毎日必ず見ます。欠かさず見ることで、相場の流れがつかめますから」

『いきなり!ステーキ』で利益1億円超

自分なりの『X+Yの法則』に着目した投資を突き詰めていった結果、響煇さんは「 ペッパーフードサービス  ()  () 前日終値  () 始値  () 高値  () 安値  () ※株価、指数は最低20分遅れとなります。 」に目をつけ、1億円以上の利益を得る。今でこそ同社が展開する「いきなり!ステーキ」が米国でも出店を拡大していて人気化していることは有名だ。しかし彼は、国内で話題になるずっと前に宝の原石を見つけ、資金をドカンと投入していた。

「それができたのは、『X+Yの法則』に従って、同社に関するデータを徹底的に収集するとともに、世の中が『いきなり!ステーキ』のような店を歓迎していることを把握できていたからです」

ペッパーフードサービス以外に大きな利益を上げた銘柄として挙げてくれたのが、「くら寿司」を運営する「 くらコーポレーション  ()  () 前日終値  () 始値  () 高値  () 安値  () ※株価、指数は最低20分遅れとなります。 」だ。

「特に関西エリアで人気を博していて、回転寿司のチェーンなのにラーメンまでメニューに加えるような斬新な発想が評判になっていました。データを集めているうちに、会社自体もいい方向に変わっていることを確信しました」

他にも同じようなアプローチで確信を抱いた銘柄への集中投資を繰り返し、他の銘柄においても1億円以上の利益を獲得。まさに“俊速”で5億円まで資産を増やしていった。

利益が出るならば、どんな投資スタイルも試す

しかし、実のところこのように成功が続く中でも響煇さんは投資スタイルはあえて限定していない。デイトレから長期投資まで、一つにこだわることなく幅広く手掛けている。成長株から材料株まで、銘柄の選択肢も限定することはない。

「利益が出そうだ! と思ったら、スタイルにこだわらずにどんな手法も試してみます。あらゆるスタイルをこなせるようになれば、それが最善ですから。ただし、どんな投資をやるにしても、必ず自分なりに確信を抱いた時だけ手を出します。そうそう、インカムゲイン狙いでは、王道の「 吉野家  ()  () 前日終値  () 始値  () 高値  () 安値  () ※株価、指数は最低20分遅れとなります。 」をはじめ、優待株や高配当株も保有していますよ」

自分に逃げ道を作らない!

株式投資で成功したい人に、胸に刻んでほしいことがある、と響煇さん。

「たとえば、値上がり益(キャピタルゲイン)を見込んで買ったのに、思うように成果を得られなかった時、どうします?」

「あの会社を応援することが一番の目的だったし……」とか、「最悪、このお金はなくなってもいいと思っていたから」と、負け惜しみを言ってしまったことはないだろうか? 自分の中で新しく理由を作って、損失を出した痛み(認知的不協和)を解消する方に、心は傾きがちだ。

だが、こうして自分にとって不都合な事実を隠すのを、響煇さんは”是”としない。

「そういった言葉で、自分に逃げ道を作りながら投資に挑んでも、いい結果は出ないと思います。投資で大金を稼ぐという目標があるならば、意志を曲げずに挑むべき。強い意志は、乗り越えるべき課題を示してくれますし、課題を通じて、自分の現在地を教えてくれます」

最後に響煇さんは、株式投資で成功したいと考えているすべての人たちに対して、次のようにエールを贈る。

「投資に関して、才能の有無は明らかにあります。だから、僕を含めた才能が無い方は、努力が必要です。24時間365日、株で勝つためには何が必要か考えてください。僕は、夢の中でアイデアが浮かんで、飛び起きて検証プログラムを朝まで作った回数は数え切れません。用語を検索しながら、毎日数時間かけて日経新聞を隅々まで読んだ苦しさは忘れません」

ももクロと島田氏への感謝も忘れない響煇さん

どんなに苦しくとも、ただひたすらに努力を続ける。

「重ねた努力は、夢を実現するための方法論となって蓄積されます。たとえ、残念ながら新しい夢を追いかけることになったとしても、夢を実現するための努力の方法は、財産として残ります。そして新しい夢を実現する可能性は高まると思います。一生懸命に努力することを冷笑する人もいますが、夢に向かって努力する人は美しいと僕は思いますね」

今、自分が為すべきことは何なのかを自問し、不断の努力を惜しまない響煇さんの視線にはブレがない。