将来の資産は「投資資金(勇気)×パフォーマンス(努力)×時間」で決まる! 資産6億円の億り人さん直伝・成長株の見つけ方~DAIBOUCHOUさん【後編】

投資で1億円以上の金融資産を築き上げることに成功した、通称「億り人」。投資家なら誰でも夢見る“億万長者”に投資手法や持っている銘柄などを根掘り葉掘りうかがいます。

聞き手は、億り人願望満々のカエルくん。元手200万円をわずか5年半で10億円にした、カリスマ投資家の“祖”として知られるDAIBOUCHOUさんに突撃取材!

後編では、ポートフォリオの主力となる「成長株」投資の手法と保有する銘柄についてお話をうかがっていきます。
ライブドアショックで5億円溶かしながらも、見事に復活! 失敗から編み出した超分散投資~DAIBOUCHOUさん【前編】を読む

【ポイント4】市場の評価が高まりそうな銘柄であれば、PER30倍でも高くない!

さて、主力とされる「成長株」について教えてください。基本は「割安成長株」ということですが、どのような基準で選んでいらっしゃいますか?

たとえば、利益が10億円の会社があって、時価総額が500億円ならば、PER50倍で割高な印象を持ちますよね。

時価総額=利益×PER

(株価=1株当たりの利益×PER)

(例)時価総額500億円=利益10億円×PER

はい、躊躇してしまう水準です。

でも、利益10億円の会社が2倍の20億円になれば、市場の評価が高まり、株価も上昇していきます。この好循環が続いていけば、PERが多少高くても正しい評価なのかもしれないという見方から、さらに買いが入ってくることが期待できます。

なるほど。PERが高くても、今後成長するならば将来的に割高ではない、と。

成長株への投資で大事なのは、利益が毎年増え、それにつれて株式指標、株価も上昇していくこと。
こうした成長株を見極め、利益の上昇とPERの評価上昇のかけ算で、株価アップによる儲けをとっていくのが成長株投資のキモとなります。

株価=1株あたり利益×PER
利益↑、PER↑で株価UP

けれど、いくら成長株でも、資産を大きく減らさないための“安全装置”=資産を”守る”仕組みは必要です。ですので、成長株についてもビジネスモデルを吟味した上で、予想PER10~15倍程度の「割安成長株」から30倍近い「割高成長株」まで、広く分散することを心掛けています。

DAIBOUCHOUさんの選ぶ銘柄【割安成長株】
煩雑な会計もお任せ! 東証一部上場企業もサポートする「アバント」

では、保有している銘柄について教えていただけますか。

現在、最も保有金額が高く、うまくいった銘柄の一つといえるのがシステムインテグレーター(SI)の「 アバント  ()  () 前日終値  () 始値  () 高値  () 安値  () ※株価、指数は最低20分遅れとなります。 」です。現在はPER25倍超となっていますが、16年夏ごろに不採算案件による赤字を出して下げたところで発表された、中長期計画に期待して割安なタイミングで購入しました。そこから株価は3倍に跳ね上がっています。

3倍! さすがです。

同社の特徴は、国際会計基準への対応力にあって、他のシステムインテグレータと一線を画しています。主なクライアントは東証一部上場企業なのですが、海外進出すると各国で異なる会計ルールがあることから、連結会計は複雑なものになります。

国ごとに異なるルールがあるのを、連結させる?! すごく大変そうです。

そう、すごく大変なんです。これに対応できるからアバントはすごいのです。しかも会計データは機密性が高く、一度契約をすれば、長期スタンスでクライアントを維持することも可能。いわゆるストック・ビジネスの強みを活かして、増収増益トレンドを継続しています。

一時的な成長ではなく、継続的に利益が伸びていくビジネスモデルを確立しているのもポイントというわけですね。そういえば、www9945さんも、投資テーマの一つに「ストック・ビジネス」を挙げていました!

DAIBOUCHOUさんの選ぶ銘柄【割安成長株】
集合住宅向けにインターネット接続サービスを提供する「ギガプライズ」

保有金額で二番目に多く投資をしているのが「 ギガプライズ  ()  () 前日終値  () 始値  () 高値  () 安値  () ※株価、指数は最低20分遅れとなります。 」。予想PERは27.2倍です。マンションなどの集合住宅向けにインターネットの常時接続などを提供している会社です。

こちらも一度契約したら継続的に売上の積み上げが望める、いわゆる “チャリンチャリンビジネス”でしょうか?

そうですね。プロバイダというのは、通常、よほど価格やサービスに差がなければ切り替えるケースは少ないものです。現在、サービス提供戸数は25.7万戸(18年3月末現在)と右肩上がりに増えており、18年3月の通期業績は売上高 69.3%増、営業利益11.7%増と好調。賃貸住宅を手掛ける住宅メーカーや不動産仲介業者などへのOEM分野でも、取引先を拡大しています。

DAIBOUCHOUさんの選ぶ銘柄【割安成長株】
他社と真逆のビジネスモデルを確立「システムインテグレータ」

その他の割安成長株では、独立系のシステム導入企業である「 システムインテグレータ  ()  () 前日終値  () 始値  () 高値  () 安値  () ※株価、指数は最低20分遅れとなります。 」が挙げられます。
システム導入(SI)業界では、クライアントの意向に即した設計を個別で作るのが一般的ですが、同社はパッケージ商品を作成している点が大きな特徴です。パッケージ型のプロジェクト管理システム、採用支援ツールなどをリリースし、18年2月期は増収増益を達成しています。
また、人工知能サービスや、AI設計書ツールなど、先端技術を活用したサービスも展開。新しいテクノロジー登場によるシステム投資の需要増や人手不足を背景に、今期第1四半期も好調で、さらなる成長が見込めそうです。

やはり他とは違うビジネスモデルを確立している企業は強い! ですね。

DAIBOUCHOUさんの選ぶ銘柄【割安成長株】
フラット35だけじゃない! 住宅ローンでおなじみ「日本モーゲージサービス」

もう一つ、割安成長株をご紹介しましょう。住宅ローンの「フラット35」をメインに取り扱う金融会社、「 日本モーゲージサービス  ()  () 前日終値  () 始値  () 高値  () 安値  () ※株価、指数は最低20分遅れとなります。 」です。予想PERは14.8倍です。
この会社の特徴は、住宅ローンだけでなく、連結子会社による「住宅瑕疵保険」や、住宅業界・企業のコンサルティングなど、幅広く手掛けていること。業績も好調ですよ。

DAIBOUCHOUさんの選ぶ銘柄【割高成長株】
クラウド型の基幹管理システムの導入実績が拡大中! 「オロ」

割高な成長株としては「 オロ  ()  () 前日終値  () 始値  () 高値  () 安値  () ※株価、指数は最低20分遅れとなります。 」。PER約66倍(※編集部註:2018年10月22日時点で72.7倍(会社予想))と高いですが、企業の業務管理機能といった基幹システムをクラウド型でしています。導入実績は広告・IT・コンサルティング業などを中心に500社以上、業績を伸ばしています。

これもいわゆるストック・ビジネスですね。支持されている理由は何なのでしょうか?

ERP(*)ではドイツに本社を置く欧州最大級のSAP社が有名ですが、それに比べて料金が割安で、月ごとの課金システムがわかりやすいのが魅力。知的サービス業に特化し、柔軟にカスタマイズを実践している点も人気を集めています。

*Enterprise Resources Planningの略。経営資源(ヒト・モノ・カネ・情報)の有効活用を図るために統合的に管理する手法・概念のこと。「基幹系情報システム」を指すことが多い。

割高でも長期スタンスで業績の成長が期待できるなら“買い”というわけですね。

【ポイント5】年次報告書で「従業員」の増減もチェック。
人に投資をしている企業は成長期待大

知られざる有望企業ばかりで目からウロコ、勉強になります。情報収集のコツについてもぜひ教えてください。

銘柄選びで大切にしているのが2点あります。
まずは、実際に足を運ぶという点で、各証券取引所や投資情報企業が主催するIRフェアにはできる限り足を運びます
そして、こちらは家での作業となりますが、決算資料をしっかり見るということ。
業績を見るのはもちろんですが、年次報告書もチェックします。そこで、経営者のビジョンや業務形態の変化、また従業員の増減も見ます。なぜならば、成長企業にとって人材は何より業績拡大のエンジンであり、かつ逆に働けばボトルネックにもなりうるからです。
近年は人手不足で倒産するケースも増えているので、従業員の増加と定着率は要チェックです。

【ポイント6】損切り・益出しルールはあえて決めない。
「長く持つ」ことが可能なのが個人投資家の武器

買った後の売却ルールについてはいかがでしょうか。

まず、私はそもそも損切りという行為が好きではないんですね。
見込み違いで誤って買ってしまった場合は別ですが、購入前に入念な分析をしていればそうした事態にはならないはずです。
短期間に必ず結果を出さなければならないプロの機関投資家と違って、個人投資家は自分自身が納得していれば、いくらでも「持てる」ということが強みですから。

成長シナリオを信じるならば、個人投資家は一時的な株価下落を気にしないでもいい、と。

はい。あと、株価が上昇している銘柄についても、単純な益出しルールは設けていません。たとえば、今も保有している求人サービスの「 キャリアインデックス  ()  () 前日終値  () 始値  () 高値  () 安値  () ※株価、指数は最低20分遅れとなります。 」。国内の大手転職サイト約60万件をネットワークして、提携する各情報サイトを横断してチェックでき、検索から応募まで一括で完結できるのがメリットです。
購入したときはPER20倍だったのが、現在のPERは約38倍(※編集部註:2018年10月22日時点で54.5倍(会社予想))と割高になってはいますが、それも求人サイトのポータルというビジネスモデルが支持されているから。割高になっても、まだ買いが入る状態が続いているなら、そこに追随していくのが利益を伸ばすポイントです。

【ポイント7】「将来の資産=投資資金×パフォーマンス×時間」
投資は1日でも早く始めるべし!

最後に投資の必要性は感じつつ、なかなか一歩を踏み出せない“投資家の卵”の方に向け、メッセージをお願いします。

投資や資産形成に取り組む上で、ぜひ心に留めていただきたい方程式が「将来の資産=投資資金×パフォーマンス×時間」です。
株式投資をやるとなると、パフォーマンスの良い銘柄選びに注力しがちですが、実は資金も時間も、資産倍増パワーを持つ重要な要素です。だからこそ、始めるならば1日でも早いほうがいい。
言い換えれば、「これだけ儲ける」という目標にチャレンジする勇気、良い銘柄を探す努力、そこに時間を味方につけることが肝要です。

将来の資産=投資資金(勇気)×パフォーマンス(努力)×時間

「資産が貯まってから投資を始める」と言いながら、いつまでも始められない方もいらっしゃいますが、まずは一歩を踏み出すことが大事なんですね。

逆に言えば、投資を始めるのが遅かった方でも、あきらめることはありません。より多くの投資資金を頑張って貯めれば、早く始めた方に負けない利益を手にすることは可能です。
また、近年はNISAやiDeCoといった、資産を形成しながら節税できる仕組みも誕生しています。株をやらなくても生活はできますが、せっかく誰でも利用できる優遇制度を使わないのは、もったいないです。

おっしゃる通りですね。相場の荒波を乗り越えて、長く株式市場にい続けるDAIBOUCHOUさんのお言葉だから重みがあります。

資産が半減するような経験を経ても、株式投資を続けられているのは単純に「楽しい」というのも大きい。無機質な数字から、社長の熱意、会社が向かおうとしている未来に想いを馳せ、コレと思った企業に賭ける。これほど楽しい知的ゲームはないのではないでしょうか。

私も早く「投資って面白い!」と思えるよう精進してまいります。本日はすごく勉強になりました! ありがとうございました。

<DAIBOUCHOUさん式「資産を守りつつ、着実に増やす」投資法>

・成長株は、ビジネスモデルを吟味し「割安成長株」「割高成長株」を幅広く保有
・情報収集としては、IRフェアなど現地現調も重視
・さらに「決算資料」で業績だけでなく経営者のビジョンや人繰りをチェック
・購入前に丁寧に分析するので、一時の下げで損切りすることはない
・投資は楽しい知的ゲーム。長く保有するほど資産は増える

今回のテーマで取り上げた上場企業

アバント
ギガプライズ
システムインテグレータ
日本モーゲージサービス
オロ
キャリアインデックス

本記事は、取り上げた企業への投資を推奨するものではありません。原則として原稿作成時点における情報に基づいて作成しております(情報が大きく変動した場合は「編集部註」として、直近の情報を掲載しております)。また、記載された価格、数値等は、過去の実績値、概算値あるいは将来の予測値であり、実際とは異なる場合があります。投資に関する最終決定はお客様ご自身の判断でなさるようお願いいたします。