資産3億円超え! 5つの条件で探す「かぶ1000流・超優良株」~かぶ1000さん【後編】

投資で1億円以上の金融資産を築き上げることに成功した、通称「億り人」。投資家なら誰でも夢見る“億万長者”に、投資手法や持っている銘柄などを直撃取材! “億り人”願望満々のカエルくんが、根掘り葉掘りうかがいます。

かぶ1000さんが得意とするネットネット株や今注目の不動産リッチ企業について聞いた前編に続き、後編ではかぶ1000さんが新たに生み出したコンセプト「かぶ1000流・超優良株」についてうかがいました!
割安株をみつけてじっくり待つ! 資産3億円超えの秘訣はバリュー投資の徹底~かぶ1000さん【前編】を読む

4つの条件とベンチマークとの比較で探す「かぶ1000流・超優良株」

かぶ1000さん、最近、新しい投資基準を設けられたと聞きました!

はい、僕の中で「超優良株」の基準を決めたんです。

ぜひその基準を教えてください……!

1つ目の基準が「自己資本比率90%以上」です。

自己資本比率が高いということは、自分の資本だけで充分にやっていけているということですよね。でも、90%ってかなり高いハードルだと思うんですが……?

ほとんど他人資本がないということですからね。なおかつ2つ目の基準として「会社の資産のうち現預金の占める割合が高い(過半数近く)こと」も条件にしています。僕の計算だと、「 任天堂  ()  () 前日終値  () 始値  () 高値  () 安値  () ※株価、指数は最低20分遅れとなります。 」はもし仮に今、売上がゼロになってしまったとしても約50年間は社員を養えるくらいの現金があるんです。反対に、ある大手電機メーカーは僅か半年で現預金が尽きてしまいます。こうした現預金の潤沢さを「パニック耐久力」と僕は呼んでいます。

パニック耐久力が高いと、万一会社に事故や災害が起きても社員を養い続けて復活できる可能性がありますよね。

3つ目の基準が収益性です。つまり利益率ですね。利益率が低いと、人件費や原材料費が少し上がっただけも利益が大きく目減りしてしまう。目安としては「営業利益率20%以上」を目処にしています。このくらいある会社は、逆に考えるとコスト削減を徹底していたり、製造は外部に委託して開発に特化していたり、何らかの強みを持っているということにもなります。

なるほど! 営業利益率が20%以上あれば、不況時には営業利益率が下がってしまうかもしれないけれど、少なくとも赤字になることはないだろうと期待できますもんね。

そして、最後4つ目の基準が「その会社ならではの強み」があるということ。BtoBのニッチ市場で高いシェアを持っているような会社です。「あの部品は、あの会社にしか作れない」とか、「この分野ならこの会社だ」と評判になるような得意分野があると、不況でも強いですよね。

【ポイント4】「かぶ1000流・超優良株」はベンチマークと比較し割安度をチェック!

自己資本比率、現預金の豊富さ、営業利益率、ニッチ市場での高いシェア――この4つの条件を満たす会社、あるんですか?

例えば「 キーエンス  ()  () 前日終値  () 始値  () 高値  () 安値  () ※株価、指数は最低20分遅れとなります。 」や、システムインテグレータの「 オービック  ()  () 前日終値  () 始値  () 高値  () 安値  () ※株価、指数は最低20分遅れとなります。 」、空圧制御機器で世界トップシェアの「 SMC  ()  () 前日終値  () 始値  () 高値  () 安値  () ※株価、指数は最低20分遅れとなります。 」などはほぼ条件を満たしています。ただ、こうした会社は僕だけでなく、特に外国人投資家が好んで注目しています。そのためPERやPBRで見ると株価は割高な水準にあることが多いですね。

「PERは20倍以下、PBRは1倍以下」が割安の基準でいいですか?

僕は日経平均をベンチマークに使っています。日経平均のPERが約13倍(2018年10月時点、以下同)、PBRが1.21倍、配当利回りが1.9%です。PERとPBRがこれより低く、配当利回りがこれより高ければ割安と判断します。

ベンチマーク、つまり基準ですね。

この基準よりも割安で、かつ先ほどの4つの条件を満たす会社が、僕の考える「超優良株」なんです。

「かぶ1000流・超優良株」の5条件

(1)自己資本比率90%以上
(2)資産の過半数近くが現預金
(3)営業利益率20%以上
(4)ニッチな市場で高いシェア
(5)日経平均よりもPERとPBRが低く、配当利回りが高い

かぶ1000さんの選ぶ銘柄【かぶ1000流・超優良株】
「マブチモーター」は中身も割安度もピカピカ!

中身がピカピカで、しかも割安! なんと贅沢な条件!! そんな会社があるんですか~?

数は非常に少ないですが、探せばあるんです。「 マブチモーター  ()  () 前日終値  () 始値  () 高値  () 安値  () ※株価、指数は最低20分遅れとなります。 」がほぼそれに該当していて、自己資本比率は91%で無借金。営業利益率は今期14.8%ですが、20%を超えていた時期もあります。現預金も1128億円と、総資産2712億円の半分に迫る現預金を持っています。

シェアはどうなんですか?

小型モーターで50%以上の世界シェアがあります。世界で5割ですからほぼ寡占状態です。

ベンチマークの日経平均と比べたPER、PBR、配当利回りはどうでしょうか?

マブチモーターのような時価総額が大きな銘柄は普通、株価は適正に評価され、極端に割安になる事は少ないんです。ところが、今はPER11.4倍、PBR1.09倍、配当利回り3.36%(10月末時点)とベンチマークよりもすべて割安となっています。滅多にない状況なんです。

50%以上の世界シェアがあるのに割安……。「うまい話には落とし穴があるから気をつけな」ってカエルのばっちゃに教わったんです。なんでそんなに割安になっているんですか? なにかワナがあるんじゃないですか?!

大きな要因の一つとしてMSCI(※)から除外された事で売り需要が発生したためと考えてます。ただそれも11月で終了したため、今後は売り圧力も弱まり、ようやく株価も回復するタイミングが近づいてるんじゃないかなと考えてます。僕もポートフォリオで現在第3位になるところまで買い増しています。

※MSCI(モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル)社が算出、公表している株価指数のこと

【ポイント5】かぶ1000流・超優良株候補を監視リストに入れて買い時を待つ!

ということは、キーエンスやオービック、SMCも株価が下がって割安になったらかぶ1000さんの超優良株になるかもしれないんですね。

みんなが優良株だと思っているので、なかなか下がらないんですが(苦笑)……。でも大型株は外国人投資家の持ち株比率が高いため、NYダウが下がると外国人投資家の売りで下にオーバーシュートしやすい傾向もあるので、気をつけて見ているといいですね。同じ目線で、工業用ドリルで高い世界シェアを持っている「 ユニオンツール  ()  () 前日終値  () 始値  () 高値  () 安値  () ※株価、指数は最低20分遅れとなります。 」も注目しているのですが、ここもベンチマークより少し割高。下がってほしいんですけど(笑)。

監視銘柄リストに入れて、安くなるのを待つのがよさそうですね。お話をおうかがいして気づいたのですが、かぶ1000さんが注目する会社って、一般の消費者には知られていない銘柄が多いですね。

BtoBの会社が多いからかもしれませんね。株価が割安になるのは、「みんなが良く知らない、馴染みがないから」です。よく「株式市場は美人投票だ」と言いますよね。

経済学者のケインズが言っていた理論ですね。ミスコンの優勝者を当てるには、「自分が美人だと思う人ではなく、みんなが美人だと思う人に投票すべき」と。株式投資もそれと同じで「自分がいいと思う会社」よりも「みんながいいと思う会社」のほうが値上がりしやすい。

でも、僕は美人投票の観点で投資はしないんです。あくまでも、僕が美人だと思う人に投票します(笑)。今はみんなが美人だと思っていなくても、いずれみんなが美貌に気がつくはずだと考えているからです。それに、僕自身が魅力的だと思っていないと、その株を安心して長くは持てないですからね。

【ポイント6】過去15年分の財務諸表で市場の荒波による変化を見る

安心して株を持つために僕が大切にしていることのひとつが、長期間に渡って安定して利益を出せているか、なんです。だから投資する時は必ず、過去15年分の財務諸表を見ます。

15年分……! 普通は3年や5年分ですよね。会社四季報でも過去3年分くらいの情報しか載っていないですし。

例えばカエルくんが結婚する時、相手の経歴も気になりませんか? ものすごくお金持ちでも、そのお金の出どころが悪いことをして儲けたお金かもしれない。あるいは遺産でもらったのか、きちんと自分で稼いだのか……などなど。それは株でも一緒。「決算プロ」というサイトには上場企業の有価証券報告書が約13年分掲載されています。それを見て、「この会社は毎年着実に利益を積み上げて、株主資本を充実させた会社なんだ」とわかれば安心して持つことができます。

なぜ15年なんですか?

過去15年遡ればライブドアショック(2006年)やリーマン・ショック(2008年)、東日本大震災(2011年)などが含まれます。そこまで遡れば経済危機や災害などで業績がどう変動したかを確認することができます。

過去を知ることで未来の予測を立てるんですね。今日は配当の話があまり出てきませんが、高配当銘柄は買わないんですか?

配当だけで見て買うことは少ないですね。前提はやはり株価がバリューであること。割安で、かつ配当があるならもらおうか、というスタンスです。

配当が第一ではないんですね。

そうですね。なぜかというと、配当を多く支払うということは考え方によっては設備投資や研究開発費などに使う用途がないからだとも考えられます。会社の発展に限界が近づいていると見ることもできますよね。配当をもらっても株価が上がらなければあまり意味がありません。そのため配当性向が極端に高い会社(50%以上)は避けるようにしています。

かぶ1000さんの選ぶ銘柄【「疑似債券」株】
配当「額」の安定性に着目、ネットネット株の「丸八ホールディングス」

配当性向に目安はありますか?

個人的には30%くらいが配当と将来への投資のバランスが一番取れているんじゃないかなと思ってます。あとは、利益に比例して配当額が決まる「配当性向」を目安にした会社だけではなく、「毎期50円」といったように業績に関わらず配当を固定している「固定配当型」の会社もありますよね。そうしたところは「疑似債券」のようなイメージで買うこともあります。

配当額が固定されていると運用プランが立てやすいですね。具体的には何の銘柄をお持ちですか?

丸八ホールディングス  ()  () 前日終値  () 始値  () 高値  () 安値  () ※株価、指数は最低20分遅れとなります。 」は疑似債券のつもりで持っています。過去の配当実績を見ると、30円で固定されています。株価が900円なら配当利回りは3.3%です。ずっと同じ金額で推移してきたのだから、将来も大きくブレる事はないだろうと考えています。

株価が値下がりするリスクはどうなんでしょうか?

じつは丸八ホールディングスは最初に説明したネットネット株です。僕の中では「上場会社で最強の割安株」の位置づけですが、なかなか評価されない(笑)。値上がり目的で買うには向いていないかもしれないですが、ネットネット株で財務内容も良く、PBRも0.3倍と低く割安な状態ですから、大きな下落は考えにくいと思いませんか?

なるほど~。大きな値動きをしなさそうで、配当が安定しているから「疑似債券」なんですね。

【ポイント7】「どの株を買うか」と同時に、「どこにお金を置くか」も考える

僕が株に投資する理由も単に株で儲けたくてしているわけではありません。もちろん、結果的に儲かればいいと思っていますけど(笑)。僕はまず「お金をどこに置くか」を考えるんです。「株がいいか、金(ゴールド)がいいか、現金を持つのがいいか」と。ゴールドには利息や配当が付きません。ただ、金融恐慌になると安全資産として買われる側面があります。一方、株は配当もあるし、企業価値の向上とともに値上がりが期待できる。好景気や通常時は株が一番いいですね。

「どの銘柄を買うか」にばかり目が向いてしまいますが、かぶ1000さんはもっと大きな目で、お金の置き場所を考えていらっしゃるのですね……!

はい、物の本質的な価値を見極めて、お金をどこにおいたらいいかを常に考えています。なので、金やプラチナも本質的価値を見極めて、割安なときには購入するようにしています。
実生活の中でも本質的価値を見極めることはとても大事だと思ってます。

本質的価値を見極める対象は、株だけではないのですね……! かぶ1000さんの教えを胸にとどめて、本質的価値を見極められるカエルになりたいと思います!

ちなみにグルメで言ったら、ステーキは家で食べるのが一番バリュー(コスパがいい)と思っています。今日はA5の飛騨牛を用意したので、食べて行ってください!

かぶ1000さんのご自宅には、本質的価値を見極めて、割安なタイミングでゲットしたお宝がたくさんありました。
次回は、番外編!
かぶ1000さんのご自宅訪問でみつけたお宝をご紹介します。株にとどまらない、かぶ1000さんの本質的価値を見極め、割安なタイミングで獲得するスゴ技は必見です……!

今回のテーマで取り上げた上場企業

任天堂
キーエンス
オービック
SMC
マブチモーター
ユニオンツール
丸八ホールディングス

本記事は、取り上げた企業への投資を推奨するものではありません。原則として原稿作成時点における情報に基づいて作成しております(情報が大きく変動した場合は「編集部註」として、直近の情報を掲載しております)。また、記載された価格、数値等は、過去の実績値、概算値あるいは将来の予測値であり、実際とは異なる場合があります。投資に関する最終決定はお客様ご自身の判断でなさるようお願いいたします。