投資信託で積み立てをするときのポイント!

  • 3分でわかる・お金に困らない人生を送るためのマネープラン入門 / 竹川 美奈子Noritake

前回は、資産形成を行うために投資信託という金融商品を活用しましょう、というお話をしました。今回は具体的に、投資信託をどう購入していくか、についてお話ししていきます。
「第6回お金にも働いてもらう! 投資信託のすすめ」を読む

半年分の生活費を貯めてからスタート

といいつつ、いきなり投資をスタートする前に、まずは「非常用資金」を確保することの重要性についても触れておきます(生活防衛資金ともいいます)。投資の前には必ず、会社の倒産やリストラ、病気、天災などといった不測の事態が起こったときのために、最低限のお金は用意しておいてください。
最低でも「生活費」の6カ月分程度、自営業の人は1年分くらいの金額を、銀行預金などの安全な口座に準備しておきましょう。
ただし、これはあくまでも目安です。属性(シングルか既婚か、共働きか片働きか、子どもの有無、賃貸か持ち家か、ローンの有無、イザというときに頼れる人がいるかどうか等)によって必要額は異なります。この機会に「1カ月いくらあれば生活できるのか」を含め、自分(結婚している人は我が家)のリスク耐久性について一度考えてみてください。
また、上記のお金だけでなく、たとえば「4年後に教育費として使う」など、数年先に用途が決まっているお金についても、別にしておくことをおすすめします。

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低コストのインデックスファンドとバランス型

さて、いよいよ投資の話です。前回書いたように、低コストのインデックスファンドか、バランス型の投資信託を購入していきます。購入時の手数料がかからず、保有中にかかる運用管理費用(信託報酬)が低い商品を選びましょう。

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組み合わせ方はさまざまですので、自分にあった商品を選びましょう。

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一方、バランス型は、商品によって中身がかなり異なるので(たとえば国内の株式と債券だけを組み合わせたもの、それらにREITが加わるものなど、いくつかのタイプがあります)、注意してよく見ることが大切です。オーソドックスに世界中の株式や債券などに分散投資している商品を選びましょう。

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毎月コツコツ積み立てよう

さて、商品を決めたら、次は購入方法を検討します。投資信託を買うには「○円分買う」というように一括でまとめて購入する方法と、毎月一定の金額を自動的に買い付けていく「積み立て」という方法があります。
すでにまとまった金融資産のある人は必ずしも積み立てという方法をとる必要はありませんが、まとまったお金のない人・手間をかけたくない人にとって積み立ては有効な方法です。
投資信託は一括で購入する場合、1万円から購入することができますが、「積み立て」だと1商品につき500円とか1000円といった少額からはじめることができます(最低積立金額は金融機関や商品により異なる)。まさにワンコインから積み立て投資ができるわけで、はじめるハードルはかなり下がっています。

積み立て投資というと、手間がかかると思われるかもしれませんが、証券会社などに口座を開設すれば、毎月、自動的に積み立てていくことができます。「給与が振り込まれる銀行口座から毎月自動的に引き落としができる」「引き落とし日を設定できる」「ウェブ上で積立金額の変更ができる」といったことが行えるからです。投資信託の自動購入サービス(いわゆる投信の積み立て)に一度申しこんでしまえば、あとは毎月決まった日に決まった金額が銀行口座や証券口座から自動的に引き落とされていくので、「投資するのは面倒くさい」「時間がない」という人でも負担なく積み立てていくことができます。

積み立てにはもう1つの利点があります。2008年の金融危機(リーマン・ショック)のように世界中の株価が大きく値下がりするようなときでも、価格の変動に振り回されることなく、投資を継続していけることです。「これからもっと下がりそうだから怖くて買えない」「今は上がっているけれど、そろそろ下がるかもしれなから心配で買えない」といった感情に左右されることなく毎月一定の金額を購入することで、値上がりしているときには少しだけ、値下がりしているときにはたくさん買うことができます。
毎月一定額ずつ購入していくことを「ドルコスト平均法」といいます。安い時期には同額でたくさんの商品を買えるということは、長い目でみたら″お買い得″となる可能性が高くなります。景気が回復すると、評価額は一気に増えるためです。
もっとも、価格の変動を気にせずにやみくもにただ積み立てていけばいいというわけでもありません。積み立てはじめのとき(運用資産が少ないとき)にマーケットが急落しても、それほど影響は大きくありませんが、運用残高が積み上がってきてから相場が急落すると影響は大きくなります。「リタイア1年前に金融危機で資産を大きく減らしてしまった」ということになったら大変です。ですので、運用できる期間や目標額などをイメージしていくことも大切です。目標額を決めておけば、仮に世界的に株が急騰して「目標額がクリアできた」となった場合に、8割程度を解約して、安全資産にシフトするといった判断ができます。

時間を味方にすると複利効果が効いてくる

投資信託の積み立てはできるだけ早くスタートし、継続することが大切です。たとえば、30年間、毎月3万円ずつ積み立てるとしましょう。投資元本は1080万円です。下はそのお金の増え具合を示したグラフです。

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仮に銀行の自動積立定期預金0.011%で運用したら、1081万6000円。ほとんど増えません。
では、仮に低コストの株式投資信託で年5%[※]で運用できると2500万円に増えます。株式の比率を半分に下げて(株式に投資する割合・金額を半分にして)年2.5%で運用したとしても、1600万円程度になります。
投資信託は価格が変動するので、実際にはこのように単純な右肩上がりになるわけではありませんが、短期的に変動しながらも、長期的には期待されるリターン(世界に幅広く分散された株式ポートフォリオをもつと5%程度[※])を享受できる可能性が高くなります。

※第7回年金積立金管理運用独立行政法人の運営の在り方に関する検討会(平成22年5月17日)、「国家公務員共済組合連合会(KKR)運用基本方針策定について」内の外国株式の期待リターンの数値。

資産形成をするうえで、最大の味方は「時間」です。上の図をご覧いただくとわかるように、最初の10年くらいはそれほど大きな差はつきませんが、20年、30年と時間を経るに従って、グンと差が開いていくというわけです。このように時間を味方にして「複利運用」をすることで、大きくお金を育てることができます。
複利運用というのは、一定期間に増えた利息や分配金を、元本に組み入れて運用していくこと。利息が利息を生む複利運用のほうが、利息を受けとって再投資しない単利に比べてお金を大きく育てていくことができます(逆にいうと、毎月分配金を受けとってしまうような投資信託は複利効果がまったくないので、お金を大きく育てることはできません)。
しっかり働きながら、できるだけ早く、資産形成を続けていくための「しくみ」を早めに作ってしまいましょう。

それでは、今回のポイントをまとめておきましょう。

●まずは半年分の生活費を貯める
●投資信託は、低コストの良心的な商品を選ぶ
●はやい時期から始めてコツコツ積み立てるとお金は大きく育つ

次回は、無駄な支出をおさえて、浮いたお金をきちんと貯蓄や投資に回していくと家計が劇的に変わるよ、というお話をしていきたいと思います。

「第8回 マネープラン改善、ビフォー・アフター」を読む

投資信託の基準価額は、組入れられる有価証券の値動き、為替変動等により変動します。したがって、投資者の皆さまの投資元本は保証されているものではなく、投資元本を割り込むことがあります。投資信託ごとに手数料等及びリスク等は異なりますので、投資を検討される際は、目論見書またはお客様向け資料等をよくお読みください。お問い合わせは、SMBC日興証券株式会社までお願いします。
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