第2回 投資って危なくないの?

前回、資産形成をするなら、投資信託というツールを活用しようというお話をしました。
たとえば株式に投資をする場合、投資信託はたくさんの会社の株にまとめて投資をするパッケージ商品なので、仮に投資している会社のうち、ひとつの会社の株価が大きく下落したとしても、投資したお金がゼロになる心配がないからです。一つの会社の株に投資をするのに比べると値動きの振れ幅が小さくなり、リスクをおさえることができるわけです。
「第1回 そもそも投資信託って何?」を読む

投資の本質を知っておこう

このように投資信託はリスクをおさえて資産形成を目指せるツールですが、なかには「投資」と聞いただけで「危ない」というイメージを持つ方もいるかもしれません。そのイメージを払拭するために、そもそも投資とは何なのかについてご説明しましょう。

本来、投資は企業の成長にお金を投じることです。その結果、企業がいい商品やサービスを生み出して社会に必要とされれば(価値が高まれば)、その企業の売上・利益ものびて、投資した私たちにも利益が還元されるわけです。
たとえば、株式に投資する投資信託を購入したとします。投資したお金は運用会社を通じて、たくさんの会社に投資されます。つまり、私たちは投信を通じて会社の株を買い、そして保有することになります。その会社の「株式」を保有するということは、新しい製品やサービスによる価値創造のお手伝いをする(もっというと当事者の1人になる)ということでもあるわけです。
会社は新しい工場をつくったり、機械を買ったりして、新しい製品やサービスを生み出します。社会にとって便利な商品や、役に立つサービスを提供することができれば、売上も上がり、利益も増えていくはずです。その結果、会社の株価が上がったり、配当というかたちでお金がもらえたりという恩恵を享受できるわけです。

投信は会社の株がたくさん入った「詰め合わせ」でしたよね。ですから、投信という器にそうした会社がたくさん入っていれば、長期的に投信の値段も上がっていきます。 ただ、株価は日々刻々と変動しますが、会社が生み出す価値は時間をかけてゆっくり醸成されるものです。企業が成長するにも、そして、その果実を分け合うためにはそれなりの時間がかかります。
ですから、長期的な視点で「じっくり」「ゆったり」が基本となります。短期的な株価の変動だけに目を向けると「こわい」という気持ちが頭をもたげますが、その裏にはきちんと会社という存在があることを心に留めておきたいものです。

10年間、毎月1万円積み立て投資をしたときの運用成果

ただ、そうはいっても、やっぱり投資をするのは「こわい」と思っている方もいるかもしれません。また、金融危機で、株価や為替相場が大きく変動するのを目の当たりにすると、これから投資をはじめても大丈夫なのだろうかと心配になる方も多いでしょう。

では、実際にこれまで投資信託を活用して、積立投資を行ってきた人はどのような成果を得られたのか、具体的な数字を示してご説明しましょう。

「日本株式」「日本債券」「外国株式」「外国債券」の4つの資産に均等に分散して、毎月1万円ずつ10年間積み立てたとします。トータルの投資元本は120万円になります。
この積み立てに対して、「1969年末に積立投資を開始して1979年末に終える組み合わせ」「1970年末に積立投資を開始して1980年末に終える組み合わせ」というふうに、1969年からそれぞれ10年区切りの組み合わせをつくってみた場合、2015年までにトータルで37回の区切りができます。このうち、元本を下回ったのは、37回中わずか2回。2008年と2011年末に積立投資を終えた場合だけでした。

2008年はリーマンショックという金融危機が起きて株が大暴落した年です。そして、2011年は国内では東日本大震災があり、海外ではギリシャが国債の利息を払えなくなるのではないかという懸念がスペインやイタリアにまで波及して、世界的に株価が下落した年でした。その結果、10年積立投資をしても、その年に積立投資を終えてしまうと、投資したお金は元本を下回る結果となりました。
しかし、その2回を除いては、どの10年をとってもお金は120万円を上回る結果となっています。平均すると元本の120万円が167万円に増えています。
このように、10年でも、「長期」で地域や資産を「分散」して、積み立てるということは一定の効果があるというのがわかります。

分散+長期で安定的なリターンをねらえる!

では、さらに期間を延ばして、20年間同じ条件で積み立てを続けるとしたら、結果はどうなるでしょうか。毎月1万円ずつ20年積み立てると、投資元本は240万円になります。
1969年から2015年まで、20年ずつのまとまりを作ると、27の区切りができます。そのうちどの20年の区切りをみても、運用成績はプラスになっていて、平均すると240万円が468万円に増えているという結果が出ています。

あくまでも過去の結果ではありますが、短期的な変動を受け入れつつ、長期でじっくりお金を増やすということがおわかりいただけたのではないでしょうか。少なくとも、金利の低い預金だけで積み立てた場合を考えれば十分な結果といえると思います。

なお、今回のケースでは株式と債券の割合を半分ずつにして積み立てを行いましたが、長期での運用を考えた場合、まず基本となるのは株式です。株式は、長期的には債券(国や会社などにお金を貸す証拠として発行してもらう借用書のようなもの)よりも高いリターンをもたらたしてくれるからです。
ただ長期的に価値が向上していくとしても、短期的には株価は大きく変動することもあります。そこで、株式を下支えしてくれる存在として債券などもいっしょに保有しておくことが考えられます。債券の値動きは株ほど大きくないからです(ただし、世界的に金利が低い時期は債券をたくさん保有するのはあまり得策ではありません。金利と債券価格は逆に動くため、金利が上昇すると債券価格は下がるからです)。

運用できる期間が20年、30年というように十分に長くとれるのであれば、株式の比率を高めにしてもいいでしょう。すでに手元に預金が十分にあり、積立期間が20年以上ある人であれば、株式100%で積み立ててもかまいません。ただし、その場合は価格の変動はより大きくなります(大きなリターンを得られる可能性が高くなりますが、もし、リーマンショックのような金融危機が起きたら一時的に投資したお金が半分程度になる可能性もあるということです)。

それでは、今回のポイントをまとめておきましょう。

●「分散投資」と「長期」を組み合わせることで運用成果は安定する
●国内外の株式と債券に20年積立投資をしたら、どの20年の区切りをとっても投資元本を下回らなかった
●株式の比率を高くすると、大きなリターンを得られる可能性が高くなるが、価格の変動も大きくなる

次回は、資産形成のためには、どんな投資信託を買えばいいのかについてお話していきます。

投資信託の基準価額は、組入れられる有価証券の値動き、為替変動等により変動します。したがって、投資者の皆さまの投資元本は保証されているものではなく、投資元本を割り込むことがあります。投資信託ごとに手数料等及びリスク等は異なりますので、投資を検討される際は、目論見書またはお客様向け資料等をよくお読みください。お問い合わせは、SMBC日興証券株式会社までお願いします。