第8回 資産形成の基本を総まとめ!

これまで7回にわたって投資信託の選び方や買い方についてみてきました。投資信託が資産形成に向いている理由や、株式と債券の違いなどについてもご理解いただけたと思います。最終回となる今回は、実際に投資を始めるために知っておいていただきたい、資産形成の「基本」についてまとめておきましょう。
第7回 非課税の口座を優先的に使おう! を読む

まずは非常用資金(生活防衛資金)を確保

投資を始める前に、必ずしておきたいことがあります。それは「非常用資金」(生活防衛資金ともいいます)を確保することです。会社の倒産やリストラ、病気、天災などといった不測の事態が起こったときに備えるお金と考えてください。
最低でも生活費の6ヵ月分程度、自営業の人は1年分くらい準備しておき、値動きをしない・換金しやすい銀行預金などの口座においておくと安心です。

ただ、この金額はあくまでも目安です。非常用資金については、属性(単身者か既婚者か、共働きか片働きか、お子さんの有無、賃貸か持ち家か、ローンの有無、イザというときに頼れる人がいるかどうか等)によって必要額は異なります。この機会に「1ヵ月いくらあれば生活できるのか」を含め、自分(我が家)のリスク耐久性について一度考えてみましょう。
簡易版のバランスシート(ある時点において保有する資産の時価評価額や負債、資産と負債の差額=純資産を一覧表示した報告書のこと)や、損益計算書(手取り年収、支出、収支を記載したもの)を年に1回作成して、定点観測していけるとなお良いでしょう。家計の財務状況を把握することは、「我が家はどれくらいリスクをとっても大丈夫か」を決定するときの大きなヒントになります。

インデックスファンドを毎月コツコツ積み立てる

非常用資金を確保できたらいよいよ投資信託への投資を始められます。投資に回せるお金を、どういう資産クラスにどの程度の割合で割り振るかを決めます。「日本株式、日本債券、外国株式、外国債券の4つの資産に均等に投資する」「債券には投資せず、日本株式と外国株式だけに投資する」といったことを決めるわけです。
割り振りを決めたら、手数料の安いインデックスファンド商品を選びましょう。具体的な商品例は第5回でお伝えしましたが、購入時手数料が無料で運用管理費用(信託報酬)の安いインデックスファンドを自分で組み合わせるか、セット商品(バランス型)を選択します。

手元にあるお金に加えて、毎月受けとるお給料の中からも、預金だけでなく、一部を投資信託の積立に振り向けていきましょう。証券会社などに口座を開設し、毎月一定の金額を銀行口座からの口座振替か、証券口座のMRF(マネー・リザーブ・ファンド)から自動的に買い付けていくのがおすすめです。
投信の自動購入サービスは、一度申し込んでしまえば、あとは毎月決まった日に決まった金額が銀行口座や証券口座から自動的に引き落とされていくので、ビジネスパーソンでも続けやすい方法です。ライフスタイルに合わせて、積立額も柔軟に変更することができます。

運用後は定期的にモニタリングしよう

運用をスタートしたあと、1年に1回くらいは定期的に自分の資産をモニタリングしましょう。というのも、最初に投資比率を決めて投資を始めても、運用している間に当初決めた比率が崩れてしまうからです。そうなると、当初想定していたよりもリスク(価格の変動する幅)が大きくなってしまったり、リターンが低くなったりする可能性もあります。そこで、定期的にもとの割合に戻す作業が必要になります(専門用語では「リバランス」といいます)。
割合を元に戻す方法はいくつかあります。一般的なのは、増えている資産(商品)を売却し、減っている資産(商品)を購入することによって、全体の割合を当初決定した資産配分に戻すという方法です。もうひとつは増えている資産を解約せずに、割合の減った資産を購入したり、積立金額を増やしたりすることで調整する方法です。
なお、いくつもの投資信託がセットになったバランス型の商品のうち、固定配分(日本株○%、外国株○%というように比率があらかじめ決められている)ものは運用会社が自動的に所定の配分に沿うように調整してくれるので、自分でリバランスを行う必要はありません。

そして、非課税口座を積極的に活用しましょう。確定拠出年金(企業型・個人型)やNISA(少額投資非課税制度)といった非課税の口座を優先的に使うのが鉄則です。とくに老後に向けた資産形成が目的なら、「確定拠出年金」を優先的に「投資をする口座」として利用しましょう。その際、非課税の口座という特性を生かして、期待リターンの高いもの(株式に投資する投資信託など)に割り振るのが原則です。

それでは最後に、投資信託を活用した資産形成の「基本型」についてまとめておきましょう。

●未来のために、無理のない範囲で、世界中の企業に自分のお金を分散する
●そして、長い目でゆったり資産を育てていく
●こうした運用をするためのツールとして、手数料の安いインデックスファンドを活用し、コツコツと積立投資を行う

この基本型をキッチリ守って、インデックスファンドだけに投資をしている人もいれば、プラスαで投資したい会社を選んで投資したり、投資哲学や運用スタイルに共感・納得したアクティブファンドを保有したりする人もいます。
まずは基本型を押さえたうえで、どこまで「幅」をもたせるかは人それぞれ。最終的に、自分に合った投資信託との付き合い方をみつけていきましょう。

投資信託の基準価額は、組入れられる有価証券の値動き、為替変動等により変動します。したがって、投資者の皆さまの投資元本は保証されているものではなく、投資元本を割り込むことがあります。投資信託ごとに手数料等及びリスク等は異なりますので、投資を検討される際は、目論見書またはお客様向け資料等をよくお読みください。お問い合わせは、SMBC日興証券株式会社までお願いします。