札幌ドームで出会える企業

前回に続き、ユイとタカシは社員旅行で北海道にいる。夜のイベントは、札幌ドームで地元の野球チーム「北海道日本ハムファイターズ」の試合観戦。実は北海道にゆかりのあるタカシは、ここぞとばかりに「札幌ドームネタ」を語り出し……。
「挑戦のDNAを持ち続ける“どさんこ会社”」を読む

ユイ

タカシ君のルーツが北海道なんて、全然知らなかった。勉強ばっかりしてて、大らかなイメージがないからなあ(笑)。

タカシ

何言ってんの! 子どものころから両親の実家に遊びに行ってて、北海道には思い入れが強いよ。

やっぱり、ファイターズのファン?


当然! 去年、優勝がかかった試合は会社を休んで見に行ったよ。ファイターズは、栗山監督の個性を引き出す人材育成がいい。親会社の「 ニッポンハムグループ  ()  () 前日終値  () 始値  () 高値  () 安値  () ※株価、指数は最低20分遅れとなります。 」も、僕は好きだなあ。大阪の会社だけど、札幌に野球チームを持ってきてくれたからね。


お歳暮のハムと、シャウエッセンのイメージしかない……。


ニッポンハムグループは売上高1兆円を超えるガリバー企業で、国内の食肉業界でダントツの1位。海外でも4位のポジションを誇る。ハムやソーセージのイメージが強いけど、実は売り上げのメインは食肉。そのほか、加工肉からさばの缶詰、乳製品、チルドのピザなど、実はいろんな商品を扱っているんだ。供給先もスーパーだけじゃなく、外食や給食など多岐にわたる。ニッポンハムの商品と気づかないで食べているものが、たくさんあると思うよ。

へ~、すごい会社なのね。


質量ともに世界トップクラスのビジネスを支えているのが、「バーティカル・インテグレーション・システム」。産飼育から加工、物流、販売まですべてを自社グループで持ち、独自のシステムで管理しているんだ。これによって、品質をコントロールしながら新鮮なうちに販路に乗せることができる。企業理念は、「食べる喜び」。近年は食物アレルギーに対応した商品や、子どもへの食育に力を入れているよ。


「食べる喜び」、いい企業理念ね。実際の活動も、共感できるわ。


食べるのが好きなユイに、ぴったりじゃん。ユイの投資は、食品産業から始めたらいいんじゃない(笑)?

ドームの「変身」を支える技術


そういえば札幌ドームって、「北海道コンサドーレ札幌」のホームスタジアムでもあるわよね。このスタジオでサッカーもできるなんて、想像がつかない。


札幌ドームは、野球場からサッカー場にスタジアムが「変身」することで有名だ。野球場の人工芝を巻き取って撤去し、コンクリートだけになった状態で、外から天然芝のサッカー場が浮きながら移動してくる。この場面転換は見学できるんだけど、スケールがでっかくて興奮しちゃった。重さ8300トンの巨大ステージがゴゴーッて動くの、未来感あったな~。

たしかに、すごいスケールの技術ね。


サッカー場を移動・旋回させる設備は「ホヴァリングステージ」といって、「 川崎重工業  ()  () 前日終値  () 始値  () 高値  () 安値  () ※株価、指数は最低20分遅れとなります。 」が担当した。川崎重工はその名の通り、重機を扱う国内大手だ。船舶、車輌、航空宇宙、ガスタービンなど7つの事業を運営し、「機械の百貨店」ともいわれている。幅広いだけじゃなく、自衛隊の航空機や潜水艦を任されるくらい高い技術力を持っているのが強みだね。ただ、ここ数年は世界的な海運不況にひっぱられて、船舶事業が低迷。収益悪化の原因になってしまったけど、対策は打っている。船舶海洋部門の大胆なリストラ策を発表し、構造改革を進めているから、これからの成果が見どころだね。


あ、打たれた!


ぎゃー! ……よし、守った! さすが中島卓也! 名ショート!!


いまの守備、すごく上手ね。外野のオーロラビジョン、とっても見やすいわ。


このオーロラビジョンは、2015年に新しくなったばかり。
三菱電機  ()  () 前日終値  () 始値  () 高値  () 安値  () ※株価、指数は最低20分遅れとなります。 」の製品で、従来に比べて解像度が5倍。映像がすごく鮮明になったよ。東京ドームとか、他のスタジアムでも使われているけど、札幌ドームは特に最高品質なんだ。


三菱電機って、エアコンの「霧ヶ峰」を作ってる会社でしょ。こんな大きなものも作っているの?


実は、三菱電機の家電の売上高は、全体の約20%にとどまる。稼ぎ頭はビルのエレベーター、エスカレーターをはじめとする「重電システム」と、工場の自動化を助ける「FA(ファクトリーオートメーション)で、2つの分野で全体の半分以上を占めている。つまり、BtoBで儲けている会社なんだ。三菱電機のモットーは、「強い事業をより強く」。携帯電話端末や半導体が不採算になったとき、傷が深くなる前に撤退したのは、先見の明があったと思うよ。いまは「スマートグリッド」や、「自動運転システム」などのプロジェクトに力を入れていて、2020年までに連結売上高5兆円、営業利益率8%以上を目指している。


得意分野に集中して、利益率の高いBtoBでしっかり稼ぐ。堅実な会社ね。


売上高も順調に伸びていて、2015年度には最高益を達成した。2016年度は、円高や中国経済減速の影響で前年比マイナスになったけど、黒字はきっちり確保しているよ。

フードコートにもおなじみの会社が


応援してると喉が渇くなあ。すみませーん! 黒ラベル、1つ! 札幌ドームのビールはもちろん、「 サッポロホールディングス  ()  () 前日終値  () 始値  () 高値  () 安値  () ※株価、指数は最低20分遅れとなります。 」の商品がメイン。僕が大好きな「サッポロ生ビール黒ラベル」は、北海道の開拓民たちが数々の困難を乗り越えて、1877年に販売したビールがルーツになっているんだ。ラベルにある★マークは、北極星をモチーフにした「五稜星」がモデル。黒ラベルは、北海道の開拓魂がつまったビールなんだ!


私は「ヱビスビール」を飲もう。これもサッポロホールディングスの商品よね? 恵比寿って東京の地名だけど、北海道と関係あるのかしら。


「ヱビスビール」は東京生まれのビールだよ。1887年、ビール事業に可能性を感じた資本家たちが出資し、本場ドイツから原料や設備、技術を移転してつくったのが始まりだ。日本で珍しい本格的なドイツビールとして人気が出て、パリ万博で金賞を受賞するなど、海外でも評判になった。その成長を支えたのが、「東洋のビール王」と呼ばれた馬越恭平。彼は日本で初めてのビアホールを恵比寿に開き、輸送体制を整えるなど、画期的な経営を行った。そして1906年に、札幌ビールを作っていた「札幌麦酒会社」などを合併し、シェアの7割を獲得。戦後の分割を経て、いまのサッポロホールディングスになったという歴史がある。


黒ラベルとヱビスビール、長く愛されるブランドを2つも持っているって大きな財産ね。


歴史あるブランドに加えて、サッポロホールディングスは、都心の商業施設「恵比寿ガーデンプレイス」といった不動産を持っているのも強みだ。2011年にはポッカコーポレーションを買収して清涼飲料事業を強化するなど、グループのシナジーを強化しているよ。


あ、部長が「銀だこ」食べてる! 私も買って来ようかな。


「築地銀だこ」を運営する「 ホットランド  ()  () 前日終値  () 始値  () 高値  () 安値  () ※株価、指数は最低20分遅れとなります。 」も、東証1部上場企業だね。


へ~。たこ焼きで上場って面白い。「銀だこ」がチェーン展開してから、縁日で食べるだけだったたこ焼きが日常的に食べられるようになった。目のつけどころがユニークよね。


そうそう。たこ焼きって実はすごくいい商材なんだ。単品だから仕入れにムダがないとか、小さいスペースで実演販売の楽しさがあるとか、子どもも年配者も食べるから客層が広いとか。このことに気付いて多店舗展開したのが、ホットランドの成功のポイントだね。最近は、生産性を上げるために自動たこ焼き機を導入したり、お酒が飲める「銀だこハイボール酒場」の出店を拡大したり、特徴を生かしながらさらに利益を追求している。中国、香港、台湾といったアジアを軸に、海外展開にも積極的だ。日本のたこ焼き文化が世界に広まる日も近いかも……って、しゃべってるうちに最終回の攻撃じゃん!


気がついたら2点差……。逆転するのは、難しいかも。

いや、ここであきらめないのが北海道民の開拓魂! がんばれーーー!

今回のテーマで取り上げた上場企業

ニッポンハムホールディングス
川崎重工業
三菱電機
サッポロホールディングス
ホットランド

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