35歳からはじめた投資で億超え〜石川貴康さんインタビュー【中編】

  • リアル投資家列伝・お金の流れを意識した投資術 / 石川 貴康

不動産投資をきっかけに投資家への道を歩み始めた石川貴康さん。ワンルームマンションの次に目をつけたのは、手間がかからない積立投資でした。「株価を予想するなんて自分にはムリ! だから投資はしない!!」なんて言っている人にぜひ知ってほしい、石川貴康さんの投資法を詳しく聞いていきます。
35歳から始めた投資で億超え〜石川貴康さんインタビュー【前編】を読む

値動きを予想しない投資法

ワンルームマンションを皮切りに35歳で遅咲きの投資家デビューを果たした石川貴康さん。その投資対象は株、投資信託、貴金属、駐車場、さらには仮想通貨と着々と拡大していく。そこでカギとなるのが「価格が上がるか、下がるかなんて予想するのは不可能」という諦観だ。

「値動きを分析するには、過去の価格データからトレンドの転換点を予想しないといけません。私の本業であるコンサルティングでは統計データも分析対象のひとつですが、過去の実績データからトレンドの変化点は統計的に予測できないんです」

株式投資に対する考え方は人それぞれだが、石川さんのように「値動きの予想なんて不可能」と考える人も多い。市場は予想不可能な値動きをするとする「ランダムウォーク」仮説もあるくらいだ。では、株式投資は運任せのギャンブルなのだろうか。

「それは違います。経済の拡大によって株式市場全体は拡大する傾向があります。個別銘柄の騰落はわからなくとも、経済が拡大するならば『株式市場全体』を買えばいいという考え方ができます」

「どの会社の株が上がるかはわからない、でも日本経済は発展するだろう、だったら日本の株式市場を全部買っちゃおう」という考え方だ。

目をつぶって一定額ずつ買っていく

「もうひとつは『上がるか下がるかわからないなら、時期を決めて定期的に一定額ずつ買っていこう』という考え方です。それが『ドル・コスト平均法』ですね」

「毎月1日に2万円、投資する」などと投資額と投資する日を決めてしまうのがドル・コスト平均法。そう決めたら価格がいくらだろうが、毎月1日にその投資対象を2万円分買っていく。1単位の価格が5000円だったら4単位買い、翌月に1万円へと値上がりしたら2単位しか買わない。

つまり「安いときにはたくさん・高いときには少なく」買っていくから、一定期間後の平均購入単価は全体の平均に近いところになる。「高値づかみ」のリスクを抑えられるわけだ。

「じつは若いころ、一度だけ、個別銘柄に投資したことがあります。大失敗でした。苦い経験もあって、パソコンの画面に張り付いてトレードするようなやり方では疲れてしまう。だったらいっそ、価格には目をつぶって決まった金額だけ定期的に買っていけばいいんじゃないかと。そうすれば価格に関係なく買えますから」

日々の株価を見て取引していると、含み損を抱えたときストレスになるし、含み益になっても「そろそろ売らなきゃ」と落ち着かない。そんなときはドル・コスト平均法の出番だ。

月3000円の積立投資が200万円に

「私がドル・コスト平均法と付き合うようになって20年。最初に行なったのは『るいとう』(株式累積投資、個別銘柄やETFの定額購入制度)。次に始めたのが貴金属の積立投資、純金とプラチナです。少額ずつ、自動的に買い付けられる仕組みが、当時はこの2つくらいしか見当たらなかったんです」

石川さんは、純金積立とプラチナ積立を、最初は毎月3000円ずつで始めて、現在は毎月5000円を積み立てている。少なく感じるかもしれないが、3000円ずつ、合計6000円を20年間毎月積み立て続けると元本だけで144万円になる。

「しかも金価格は上昇したため、元本は約2倍になっています」

20年前の金価格は300ドル前後、それが2011年には2000ドル寸前まで上昇し、2017年7月時点では1200ドル台だ。20年前にドカンとたくさん買っていれば約7倍だし、2011年にまとめ買いしていたら元本は40%近く目減りしている。ドル・コスト平均法だと、こうした激しい値動きを平準化できるため、大儲けはできないが大損もせず、ほどよく儲けられた、ということになる。

時間を味方にできる積立投資

「貴金属の積み立ては自分の名義だけでなく、子どもの名義でも行なっています。お小遣いをたくさんあげるかわりに、金とプラチナを毎月5000円ずつ積み立ててあげています。子どもが成人したら、『この積立口座、どうする?』と聞こうと思っています」

彼らは言うかもしれない。「お父さんありがとう。この先は自分で積み立てるよ」と。

「彼らが積み立てを続けたら、さらに20年、40年と運用できます。私よりはるかに多くの時間を使って投資できるわけです」

日本と世界の市場全体に投資する

とくに株式投資において時間は武器になる。経済成長が続けば株式市場全体が拡大も続くと考えられので、長く投資を続けるほど有利になりやすい。

「だから、私は投資信託もドル・コスト平均法で積み立てています。すべて『パッシブ投資』です。上がりそうな個別銘柄を探して投資するのではなく、市場全体に投資するやり方ですね」

日本株であれば日経平均、アメリカの株式市場であればダウ平均といったように主要な市場には、全体の動向を示すインデックス(指標)がある。こうしたインデックスに連動する投資信託での積立が石川さんのパッシブ投資だ。

「日経平均と中国株、日本を除く世界の株式市場、それに先進国の債券とREIT(不動産投資信託)、これらのインデックスに連動した投資信託を5本、積立投資で購入しています。それぞれ毎月1万円ずつ。貴金属積立と同じように価格には目をつぶりながら買っています」

石川さんの投資対象をまとめると日本と世界の株、債券、不動産、それに金、銀、プラチナの貴金属となる。つまり「世界の主要なマーケットのほぼすべて」といってもいいだろう。さらに為替のリスクをヘッジする投資対象も。

「あとは外貨建てMMFですね。ユーロ建ては低金利のために繰上償還されてしまったので、米ドル、英ポンド、豪ドル、ニュージーランドドル、カナダドル、ブラジルレアル、トルコリラの7通貨です。最近はビットコインなどの仮想通貨も毎月、ドル・コスト平均法で買っています」

不動産から投資信託、貴金属の積み立て、外貨MMF、さらにはビットコインへと発展してきた石川さんの投資対象。最初からすべてを真似するのは資金的に難しいかもしれないが、まずはひとつ、興味ある投資対象を選んで真似してみるといいかもしれない。

※外貨建てMMFは、格付けの高い各通貨建ての短期証券や債券を中心に安全性に配慮した運用を行なう外貨建てのマネー・マーケット・ファンド(MMF)です。