第7回 よく食べてよく動いてよく寝る

前回は、自分の時間を確保するための時間管理術についてお伝えしました。今回は人生を充実させるうえで欠かせない「身体と心の健康」についてお伝えしていきます。
第6回「自分で自分にアポイントメントを入れる」を読む

自分の外見に誰より影響されるのは自分

心と体の健康を保つ大切さは誰もが感じていることと思いますが、見た目も重要だと思っています。見た目は気分をつくります。私は気分を落とさないために見た目に気をつけますし、見た目に気をつけることで気分を上げています。たとえば、原稿を書くだけなら一日中パジャマですっぴんでいたって、誰にも会いませんし、何にも問題はありません。でもそうすると気持ちの切り替えができないだけでなく、家から出ないで人を遮断しているムードが部屋の中に充満するので、ちゃんと着替えて、宅急便が来ても慌てないくらいには外見を整えておきます。

外見というのはコスプレに近いもので、その見た目に誰より影響されるのは自分だと思うのです。メイクがうまくいった日はいい女の気分になれるし、髪の毛を切りすぎたり、ニキビができていたりしたら、なんとなく人に会いたくなくなる。そんな時は人と喋っていても自信が持てなかったりします。だから、見た目は気持ちよく仕事をするメンタルをつくるためのものと位置付けていて、忙しくてもまつげエクステや、ヘアサロンなど、気持ちを上げてくれる美容の予定は、どこかに入れるようにしています。

美容に関しても税理士さんを雇うときと同じで、自分と考え方の方向が似ている専門家の意見に全面的に従います。自己流でやるよりも、その道一筋の人の意見に従うほうが効率がいいと思うのです。また、「美容=気持ちがよくなるためにやること」の過程で「気持ちが悪くなること」をしたくないので、まずいものは食べないし、つらいことはしません。自分の生活に負担のない範囲で、自分に合うことだけを取り入れています。

体型は自分の理想形とは言い難いけれど、好きなものを好きなだけ食べながら10年ほど同じ体重を保っています。学生時代に憧れたみたいに、自分の骨格から不釣り合いなほど痩せたいという願望はもうありません。ただ、健康的に長く仕事をしたいので、自分の心や体を痛めつける食べ方をしないように気をつけています。お腹がすいたら我慢しないし、食べたいものは我慢しません。我慢すると反動で爆食してしまうタイプなので、食べ物に関してはNG事項を自分で設定はしていません。

ちなみに、大学時代、催眠術の学校に通ったことがあるのですが、催眠療法を使ったダイエットでは「〇〇を食べてはいけない」という暗示をかけるのではなく、体にいい習慣……たとえば「食べる前に水を飲む」「野菜をたくさん食べる」などの習慣を頭にインプットするようにと教わりました。何かを禁止することは体にストレスを与えるので、代わりに「体にいい習慣」をインプットするのです。食べる前に水を飲んだり、野菜をたくさん食べると必然的にケーキを食べるのほどの胃のキャパシティがなくなるので、体に悪くて太るものの摂取量が減り、結果的にダイエットにつながります。

ただ、25歳くらいから食の好みが変わって、食後に甘いものがなくても満足できるようになったし、それだけ永遠に食べられると思っていた肉の脂身も昔ほど食べられなくなりました。

また、まずいと感じるものはたとえ体にいいものであっても、積極的にとらないようにしています。昔からセロリをあまり美味しいと思えなかったのですが、大人になってからアレルギー検査をしたら、セロリは自分の体に合っていないという結果が出たのです。親には「セロリは体にいいから食べなさい」を言われてきましたが、私の体は味の感じ方という明確なサインを出してくれていたのだとちょっと感動しました。

よく食べてよく動いて、よく寝る

サプリメントなどは、知り合いにもらったものを飲んだり、興味の湧いたものをたまに買ってみる以外に、継続してとっているものはありません。家族みんなで気に入っている酵素ジュースだけずっと飲んでいるけれど、それ以外、特に特別なことはしていません。ミーハーなので、流行っているものに一時的に飛びついたりもしますが、ずっと続けているのは、酵素ジュースくらいです。

食べるときに気をつけていることといえば、油物やお肉を食べる前に野菜などを先に食べて野菜を先に胃に吸収させるようにしています。これは、周りの美容意識が高い人たちはみんな自然にやっていることなので、真似して始めました。昔は食べないほうが痩せると思っていたけれど、今は適度に食べたほうが健康的だし、痩せると心から信じています。可愛いくて元気に活動している女性は、例外なくしっかりと食べます。しっかり食べてエネルギーを循環させるから、つねに体内で扱っているパワー量が多いことが活気につながっているのだと思います。昔、広告代理店の人が「売れる子は例外なくよく食べる。真夜中の焼肉とかでもしっかり食べている」と言っていたのも身に染みてわかります。

健康法やダイエット法に関する調査研究は、日々新しいものが発表されていてこれまでの常識が簡単に覆されたりするので、それらに「絶対」はないと思うのです。だからこそ、つねに最新情報を追いかけて踊らされるより、本能が選ぶ心地良さと人間としての基本……よく食べてよく動いて、よく寝る、を大切にしようと思っています。

食事内容では、たんぱく質、炭水化物を減らさないように気をつけています。以前、炭水化物を抜いたらひどい便秘になったので、私は体質的に炭水化物抜きは合っていない気がしています。たんぱく質に関しては、以前は、太るものだと信じて避けていたこともあったけれど、ダイエットのコーチの方に言われて、食事の中のたんぱく質の量を増やしたら、逆に痩せたので、エネルギーをつくるもとなのだと実感できました。

そして、何より美容にいいのは、人間関係を整えてストレスをなくすことだと思っているので、ふだんから自分の苦手な人に会う時間をなるべく減らしています。嫌いな人に会うとどんどんブスになると本気で思っています。好きな人にだけ会うことが一番の健康法です。

ここまでいろいろ自分なりの方法を書いてきましたが運動に関してだけはあまり誇れる習慣がありません。運動量は人よりかなり少ないと思います。まず、会社員の方には当たり前のようにある通勤時間がなく、意識しないと外に出ないというところから、危険なのです。原稿に打ちこむ日は、とことん引きこもって家から出ないこともあります。ただ、そういう日も家事などでこまめに体を動かすようにしたり、動作を大きくして掃除をするなどしています。

大学時代、ジムに少しだけ通いましたが、ちゃんと続いたのは最初の数ヵ月だけ。準備をして家を出て運動をしてシャワーをあびてメイクを直して帰ってくる、という一連のことが、あるときを境に面倒になり、どんどん足が遠のいていきました。通いもしないジムにお金を払っているのが自己嫌悪につながり、さらに、意を決してジムを退会しに行くと、挫折者のような気持ちに襲われ、何とも言えない敗北感を味わいました。
ただ、自分の面倒くさがりが変わらないのはわかっているので、運動する時間をわざわざつくるのではなくて、日常の中に、運動の要素を取り入れる習慣をつくることで補おうとそのときに決めました。特別なことをしようと思うと疲れてしまうから、知らず知らずのうちに体を動かしてしまう習慣をたくさん日常に散りばめるのです。

幼稚園のときから小学校までバレエを習っていた際の習慣が大人になってもまだ残っているので、朝一のストレッチだけは今でも欠かしません。開脚や屈伸などの簡単な動きですが、体が柔らかいとケガをしづらいので、体の柔らかさを保つことは意識しています。
また、フリーランスになってから、スニーカーを二足買い足しました。外出時にスニーカーを履いていると、足が軽いのでちょっとばかりの距離なら「歩こう」と思えるのです。スニーカーに合うようにと服装も少しカジュアルになったかもしれません。動きやすい服装でいると、「動こう」という気持ちになるから、いつでも動ける格好でいるようにしています。

やる気が起きないときには

メンタル面では、1ヵ月に1、2回、心がずんと沈んでしまうことがあります。ホルモンのせいなのかもしれませんが、特に予告なく、急に気持ちが暗くなったり悲しくなったり、あとは朝起きた瞬間から、何か気がのらずに、「今日は原稿が書ける気がしないな―」という日があります。
最近わかったのですが、私は低気圧に弱いようで、起きて「ん?」と思うと、大抵天気も悪いのです。天気を自分の力で変えることはできないし、特に効果のある薬なども思い浮かばないけれど、周りの人を見ていても毎日均質なハッピー度合いを保ちながら生きている人っていなくて、みんな交代で体調が悪い日が来たり、気分がのらない日が来たりしているように思います。

だから「自分だけは特別だ」とか「調子悪いのは自分の頑張りが足りないんだ」とかは思わずに「今日はそういう日なんだな」と思って、あきらめてよく寝ることを心がけています。体調が悪い日こそ、テンションの上がるものを食べてよく寝るチャンスかもしれません。「疲れた日は頑張って生きた日」というタイトルの本を以前出しましたが、頑張れる日があるから、疲れる日が出てくるのです。たまに疲れるのは、ふだん頑張っている証拠です。気分が悪いときに、自分で自分を責めすぎずに「まあそんな日もあるね」と思うことが、早く回復するためのコツなのかもしれません。

それから、1日の中でも仕事がノッてる時間とのらない時間が交互にきたりしますが、1回寝ると気分が変わるので、やる気がでないときはソファやベッドでしばらく横たわって思いきって寝ます。ちょっとでも寝て起きると、朝がまた来たようなフレッシュな気持ちに変わるので、そこから仕切り直して、また作業を再開します。

この原稿を書きながら、何気なく生活しているようで、美容、健康、運動についてなどのこだわりがない(と自分では思っている)分野でも、書き出してみると意外に書けることに気づけました。こうやって、自分の中から無理やりにでも発掘して伝えることが、第1回の記事で書いた「自分への取材」なのだと思います。

さて、これまで7回にわたって、自分で自分に取材をし続けることの大切さ、自分に取材した結果をもとに夢をかなえていく方法、夢をかなえることだけに集中する方法、心身の健康管理術についてお届けしてきました。最終回となる次回は、これからもずっと自分を取材し続けていくために必要なインプット術についてお話します。

<今回のまとめ>
●心と体と同じくらい、「見た目」も大事
●最新情報を追いかけて踊らされるより、本能が喜ぶ心地良さを大切にする
●やる気が起きないときには、寝ることも大切