第7回 貯金が少しできたらすぐにやるべき2つのこと

過去6回にわたってお伝えしてきたことを実践していただければ、あなたの手元に、これまでは一切なかった「まとまったお金」が残ってきます。このとき、すぐにやるべき2つのこと。「ふるさと納税」と、「確定拠出年金」についてご説明したいと思います。
第6回「貯金生活の強い味方、デビットカード」を読む

大手ECサイトなみに手軽になっている「ふるさと納税」

年々利用者が増えている「ふるさと納税」(編集部注:納税という名称ですが、実際には自治体へ寄付する行為を指します)。一人でも多くの方に寄付してもらえるよう、各地の名物はもちろん、アニメグッズやご当地ヒーローになれる権利、果てはパソコンと、各自治体がさまざまな種類の返礼品を用意しています。人気の返礼品ともなれば、またたく間に寄付が締め切られることもしょっちゅうです。

そもそもふるさと納税は、納税者が今住んでいるまちの税収と納税者を育てたまちの税収との格差を是正するために設けられた制度です。が、実際は出身地や本籍地にかかわらず、日本中どこの自治体でも寄付することができます。

ふるさと納税をするメリットは返礼品だけではありません。所得税と住民税を抑える節税の効果があります。具体的な金額は、所得税と住民税を合わせ、「寄付額-2000円」程度と考えてもらえば大丈夫です。たとえば3万円の寄付をすると、2万8000円分減税されるということになります。この差額の2000円で、1万4000円相当(返礼品は納税額の半額程度が目安※)の品が手に入るのです。ただし、2000円の差額にするには、年収により寄付の上限額が決まっています。総務省の資料を参考にしてください。

※総務省は平成29年4月1日「ふるさと納税に係る返礼品の送付等について」(総税市第28号)において、「返礼品として3割を超える返礼割合のものを送付している地方団体においては、速やかに3割以下とすること」と、見直しを求めています。

「手続きが難しそう」という声もよくききますが、最近はふるさと納税の情報を集約したサイトも増えています。たとえば、「ふるさとチョイス」や「さとふる」というサイトは、ふるさと納税の上限額のシミュレーションもあり、その使い心地は大手ECサイト並みです。クレジットカード(デビットカード)を使って決済することも可能です。

2015年から5自治体以内の寄付なら確定申告不要の「ワンストップ特例制度」もはじまり、サラリーマンには面倒な確定申告の必要すらなくなりました(そのかわり、寄付証明書とともに届く「申告特例申請書」にマイナンバーカードのコピーを添えて返送する手続きがあります)。

「いつ寄付するのが良いか?」と聞かれることがありますが、ずばり、いつでも良いです。ワンストップ特例制度を利用した場合、寄付をした年の翌年6月から1年間、住民税が安くなります。たとえば、2017年の1月〜12月の間であれば、いつ寄付しても、2018年6月〜2019年5月の住民税が安くなるというわけです。ですので、1月1日〜12月31日の間であれば、一気にまとめて複数の自治体に寄付するのでも良いですし、1ヵ月おきに1自治体というようにこまめに寄付するのでもどちらも構いません。なお、こまめに寄付した場合は、2000円の差額にするための上限額を超えないよう、寄付した金額の合計を計算しておきましょう。
今やふるさと納税は「使わないと損」という制度になってきています。

一石三鳥の確定拠出年金

同じく、是が非でも使うべき制度が個人型確定拠出年金(iDeCo)制度です。

確定拠出年金は、老後資産を作るため、60歳までに資金を積み立て、運用していく制度です。掛け金全額が所得控除となり、運用で得た利益は非課税、さらに、受け取る時も(一括の場合)退職所得控除が適用されるというかなりの税制優遇があります。一般口座で積み立てた場合、所得控除がなく、運用で得た利益には20%の税金がかかってしまいますので、大変おトクです。

また、毎月、投資する金額や商品を容易に変更できるため、「今月は支出が多かったから、投資額を減らそう」「オリンピックが決まったので不動産業界を増やしておこう」「情勢が安定してきた新興国を厚めに」といったように、状況にあわせて運用することができます。

さらにさらに、2017年からは加入対象者が拡充し、専業主婦・専業主夫、公務員なども加入が可能となり、文字どおり20歳から60歳未満の全国民が利用できる制度となりました。

いいことずくめの確定拠出年金制度ですが、もちろんデメリットもあります。まず、老後資産の形成が目的であるため、60歳になるまでは引き出すことができません。30歳で払ったお金は、30年間触ることができなくなります。

また、加入者自身が運用商品を決める必要があるため、ある程度運用の仕方や商品選びの勉強が必要となります。ここで「やっぱり怖いしいいや」と思ったあなた、どうか踏みとどまってください。確定拠出年金の運用商品はリスクの少ない投資信託が多数ありますし、何より先述した税制優遇のインパクトは、多少の運用ミスを吹き飛ばす強さがあります。どうしてもリスクが嫌だと思う人は、元本確保型の定期預金や保険商品があります。

どんな商品を選べばいい?

確定拠出年金の運用商品には、国内株型、国内債券型、先進国株型、先進国債券型、新興国株型、新興国債券型、不動産(REIT)型、バランス型などがあります。これらを組み合わせて運用していくのですが、どう組み合わせるかは、どの程度のリスクをとるかによって変わってきます。原則として、リスクとリターンは比例するので、「ハイリスク・ハイリターン」を選ぶか、「ローリスク・ローリターン」を選ぶかということです。
基本的には国内外の株と債券を1/4ずつ保有すると良いと言われていますが(専門用語で「分散投資」といいます)、多少リスクをとってリターンを期待したい場合は株の比率を多くすると良いでしょう。

できるだけリスクを低くとりたいけれど何を選んだら良いかわからないという人は、パッシブ型という運用方式の商品で手数料(「信託報酬」と言います)の低い商品から選んでいくと失敗は少ないでしょう。

「ふるさと納税」も「確定拠出年金」も、言葉だけは知っていたという方は多いのではないでしょうか。この連載を読んで、「なるほどそういうことだったのか」と理解してくださった人がいれば大変うれしいです。お忙しいのも面倒くさいのも重々承知ですが、どうか重い腰をあげて、次の休日に30分でいいので「ふるさと納税」や「確定拠出年金」について調べてみてください。小さなことから、お金との関わり方を変えていきましょう。

<今回のまとめ>
●ふるさと納税は、実質2000円で「お礼の品」がもらえる
●資産形成のために確定拠出年金を使うと、税制の面で一石三鳥
●リスクを低くとりたい人は、「パッシブ型」で手数料の低い運用商品を選ぶ
本記事は2017年10月現在の制度に基づき構成されております。実際にご利用になる場合には、最新の内容をご確認いただくようお願いします。